中古品の購入は地球に優しい?リユースで変わる地球の未来

他人の使ったお古なんて、安いけどなんか汚い気がして気が引ける…ともすればそんなネガティブなイメージを伴うリユース製品。だが大量消費の時代の良心のかけらのようなリユースされた品々から恩恵を受けるのは、安価に製品を購入したい消費者だけではない。地球環境もまたその恩恵を受けるのだ。

地球に優しいリユース

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Schibsted Media Groupの発表する持続性に関するレポートでは、ハンガリーのオンラインフリーマーケットプラットフォームJófogásを通じた取引で軽減された温室効果ガスの割合などが記されている。Jófogásでは不動産から車、衣類にパソコンまで、様々な品がユーザー同士で取引されている。

スウェーデン環境研究センターIVLとの協力のもと作成されたこのレポートによれば、2017年の同プラットフォームでの取引により20万トンの温室効果ガスと、9756トンのプラスチックを削減した可能性があるとのこと。これはハンガリーの首都ブダペストの交通が2ヶ月完全に止まったのと同等であり、プラスチック製の袋に換算すると140万袋分だという。また、インフォグラフィックでは、パリからニューヨークの飛行機旅行で言うと23万2558回分の往復、人による排出に例えるとヨーロッパ人2万1505人分の削減だとも示されている。

人口1000万人足らずのハンガリーでこれだけの温室効果ガスやプラスチックを削減できるのだから、人口が多い国ではそれだけ多くの削減が可能だろう。同じくSchibsted Media Groupによる発表では、人口6000万人程のイタリアでの同様のプラットフォームSubittoにおける昨年1年の取引では、450万トンの温室効果ガス、24万5927トンのプラスチックを削減できただろうと見積もられている。

リサイクルよりもリユース

この削減見積もりはプラットフォームで売買された製品の代わりに、その同等の製品が新たに製造購入されていた場合との単純な比較でしかない。それらオンラインフリーマーケットでは、アンティーク品などを除けば他人が既に所有したことのあるものを新品と比べ安価に購入できることもポイントである。そのため消費者の物品購入予算を鑑みれば、このようなプラットフォームがなかった場合にこれだけの温室効果ガスやプラスチックが生じていたかどうかは疑うべきであろう。

それでもリユースは、更なる消費を促進させないという点で環境に優しいし、同じく「エコ」というキーワードと共によく登場する「リサイクル」よりも環境に優しいという点も忘れてはならないだろう。リサイクルは、あるものが回収、輸送、選別、再加工、パッケージング、検査、輸送、などの工程を経て、再生され、リサイクルされて作り出された新たな物として生を受ける。それにはその行程だけのエネルギーを消費するのだ。一方のリユースは、物として作られた存在がそのままの形、機能を保ったまま、また新たに使われる。そこには輸送こそ行われても、既に一度エネルギーを消費され形となった物が、そのままの姿で他の人の手に渡り、役立つのだ。

幾らガラスや紙、プラスチックがリサイクル可能な資源であるからといっても、これもそのまま使ったほうが無駄が少ないのは少し考えれば判ることだろう。例えば紙でできた卵のパッケージを例にとってみてもそうだ。

ブランドイメージと環境と

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筆者の住むフィンランドにある、とある環境に配慮した卵屋は、リサイクルされた紙でできた卵パッケージも使ってはいるが、同時に卵パッケージの回収も行っている。面白いのは回収した他社のロゴ入りの卵パッケージは、リサイクルするのではなく、そのまま他社のロゴが入った状態でそこに卵を入れて販売しているというころだ。

これの対比となる出来事が今年7月ニュースを賑わせた。ファッションブランドのバーバリーが売れ残ったバッグ、服、香水など2800万ポンド(約40億円)分を燃やした話だ。これは、売れ残り製品が値引き販売される事でブランドイメージが下がるのを防ぐための行為だったとされる。またBBCによれば、カルティエやモンブランなどのブランドを傘下に持つリシュモンも同様にブランドイメージの低下を恐れて、過去2年で4.8億ユーロ(約624億円)分の自社の時計を買い戻し、大部分を廃棄、一部をリサイクルしたとされている。このようなことを行っているブランドは他にも数多くあり、この出来事は氷山の一角でしかないなどともされるが、一度これが消費者に知られればブランドイメージの低下は避けることができないだろう。

消費と持続性

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消費なくして人類の発展も無いという意見も時折耳にする。当然ながらこれはその度合いの問題ではあるのだが、消費する事のできる商品を生み出す基礎として存在してきた地球や自然環境に危害を及ぼしてまで利己的に人類が発展しても、その先に持続性は無いだろう。この点においては「タックスヘイブンと環境問題の不都合な事実?研究で明らかに」の記事中、「共通するロジック」の項目に記した事柄とも重なって見える。

果たして人類は飽くなき消費に終止符を打ち、自身を産み育んだ自然を自らの利己的な欲から救うことができるのか?なんて言うと大げさすぎるかもしれないが(大げさ過ぎない可能性も考えるべきであろうが)、既に生み出され存在している品々を長きに渡ってリユースしていくことに大きな価値があることを認識すると共に、生産、消費とそれらが自然環境に与える影響のバランスを上手く取り、我々が今持てる物と今持てる自然の両方を後世に末永く残せる世の中に向かって舵を切ることが重要だろう。

 

Yu Ando

*Discovery認定コントリビューター

フィンランド在住のライター。執筆分野は、エンタメ、ガジェット、サイエンスから、社会福祉やアートに文化、更にはオカルト系まで幅広い。ライター業の傍らアート活動も行っているほか、フィンランドや日本で両国の文化を紹介する講演を行うことも。
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