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【民間の力でISSへ】宇宙船らしいスタイルのボーイング『スターライナー』

NASAとの契約のもと、宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)へと輸送する宇宙船を開発しているのが、米スペースXと米ボーイングの2社だ。

この記事では、ボーイングが開発をすすめる宇宙船「CST-100:スターライナー」について紹介しよう。

外観からして先進的な設計のスペースXの宇宙船とは異なり、どこか見覚えのある宇宙船のようなデザインが特徴だ。

 

苦戦する開発

Image Credit: ボーイング

スペースXの宇宙船「クルー・ドラゴン」と同じく、その開発は順調には進んでいない。

スターライナーは「アポロ宇宙船」を連想させるシンプルな円錐形の宇宙船で、打ち上げにはユナイテッド・ローチ・アライアンス(ULA)の「アトラスV」ロケットが利用される。

宇宙船の直径は4.5m。また着陸にはパラシュートを利用し、ロケットエンジンによる緊急脱出機能も備える。

ただ残念なことに、その開発スケジュールは延期を重ねている。現段階では2018年後半〜2019年前半の無人打ち上げ、2019年半ばの有人テスト打ち上げを予定しているが、このスケジュールが確実に守られるかどうか断言することはできない。

 

柔軟な運用が可能な船内

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スターライナーの船内には7人の乗船が可能だ。さらに宇宙飛行士の搭乗人数を減らし、かわりに貨物を搭載することもできる。

船内の操作系には最新のタッチパネルが導入され、クルー・ドラゴンと同じく非常に洗練された印象。しかし機械的なスイッチ類もそれ相応に搭載されているなど、設計思想の違いが読み取れる。

 

より「宇宙服」らしいデザイン

Image Credit: ボーイング

ボーイングはスペースXに先駆けて、2017年1月に宇宙服「Boeing Blue」を公開している。

宇宙服はヘルメット部分の視野が広く確保されており、さらに重量は9kgと従来型の宇宙服から40%もの軽量化を実現。また内部の通気性にも気が配られており、涼しい環境で宇宙飛行士が作業できるそうだ。

ボーイングとスペースXが開発を進めている新宇宙船だが、宇宙飛行士の輸送という高い安全レベルが求められるミッションを前に、苦戦が続いている。しかしこれも、新時代の宇宙開発が発展するための「産みの苦しみ」ということなのだろう。

 

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki

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