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【民間の力でISSへ】まるでSF映画のようなスペースXの宇宙船

宇宙開発企業の米スペースXは、2019年以降に独自の宇宙船とロケットによる宇宙飛行士の輸送を開始する。これは、NASAとの契約にもとづくものだ。

スペースXの宇宙船は「クルー・ドラゴン(Crew Dragon)」と名付けられており、さまざまな先進的な設計が取り入れられている。

民間企業が開発する宇宙船とはどのようなものになるのか、その姿を見てみよう。

 

混乱した着陸システム

Image Credit: スペースX

スペースXは現在も、NASAと契約し補給船「ドラゴン」とロケット「ファルコン9」を使用し、国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送をおこなっている。そして、クルー・ドラゴンはその有人版に相当する。

クルー・ドラゴンには7人の宇宙飛行士が搭乗できる。また船体には4つの大きな窓が設置され、内部から地球や月、太陽などを眺めることも可能だ。そして、ISSへの往復だけでなく月や火星への探査にも利用できるように設計されている。

また、クルー・ドラゴンには側面に小型のロケットエンジンが搭載されている。これは、ロケット噴射による着陸を想定したものだ。当初はこのシステムで地球や火星に着陸する予定だったのだが、NASAによる認証の関係もあり、結局従来どおりのパラシュートによる着陸を実施することとなった。ただし、将来的にロケット噴射による着陸が復活する可能性もある。

 

まるで豪華ヨットのような船内

Image Credit: スペースX

宇宙船といえば窮屈なイメージがあるし、実際に現在ISSへの往復に利用されている「ソユーズ」宇宙船は定員の3人が乗り込むとかなり窮屈だ。

しかしクルー・ドラゴンでは、SF映画に登場する宇宙船のようなゆとりある、洗練された座席デザインを採用している。

さらに、船内の操作システムは大部分がタッチ操作可能なディスプレイに統一されている。そしてタブレット端末のように、グラフィカルなインターフェイスで飛行指示を設定するのだ。

 

アメコミ風味を感じる宇宙服

Image Credit: スペースX

スペースXは宇宙服のデザインでも従来の概念を覆している。なんとアメコミのスーパーヒーローのコスチュームを手がけてきたデザイナーと協力し、クールなデザインに仕上げてきた。

またこの宇宙服は広い視野を確保しつつ、非常に軽量で使いやすいことも伝えられている。

NASAは今月、クルー・ドラゴンの有人試験飛行に参加する2人の宇宙飛行士と、実際の輸送ミッションに搭乗する2人の飛行士を発表した。具体的な打ち上げ時期はまだまだ流動的だが、彼らが民間開発の宇宙船でISSへと飛び立つ、勇気あるチャレンジャーとなるのだ。

 

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki

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