飛行機内の性的暴力が急増中のアメリカ…身を守るための3つの心得とは

飛行中の民間航空機内で、性的暴力が急増しているとCNNが報告している。

アメリカ連邦捜査局の統計では、刑事告発された件数だけでも2014年度から2017年度にかけて66%の増加が見られた。2017年度はすでに取り調べを開始しているケースが63件にのぼり、その件数は今後さらに増加するとの見通しだ。

捜査官のデイビッド・ロドスキー氏は「警戒すべき増加傾向にある」と認識しつつも、「なぜ増加しているのかはわからない」と話している。

Smarter Travelは、飛行機内の性的暴力の事例は以前からあったものの、認識されていなかった可能性を指摘。#Me Tooの時代に至って被害を告発しやすくなったことを受け、乗客が航空会社に対策を求め始めていると分析している。

Credit: tstrong20 / Pixabay

 

米国内の乗組員を代表するフライトアテンダント協会が2,000人を対象に実施したアンケート調査では、5人に1人のフライトアテンダントが勤務中に乗客間の性的暴行の報告を受けたことがあると答えた。

連邦捜査局が把握している件数は氷山の一角とも見られ、各航空会社は予防対策に追われている。

 

ゼロ容認の姿勢

今月16日には、機内で性的暴行を働いた罪でミシガン州東部地区連邦地方裁判所が35歳の男に有罪判決を下した。陪審団がわずか3時間半の審議を経て出したのは、いかなる逸脱も許さないというゼロ容認の姿勢だ。終身刑も視野に入れた量刑手続きが現在進行中で、今後の裁判の前例となりそうだ。

この事件は2018年1月3日に発生した。NPRによれば、ラスベガスから飛び立ったデトロイト行きの夜行便に乗った男は、窓側の席で眠っていた22歳の女性の体を触るなどした。消灯後の寝込みを狙っており、男のとなりには男の妻も同席していたそうだ。

 

被害を防ぐためには

上記のような被害は誰にでも起こりうる。被害に遭わないようにするためには、いくつかの傾向と対策を知っておいたほうが安心だ。

連邦捜査局のロドスキー氏によれば、被害は夜行便に集中しているほか、3時間超のフライトの途中で消灯時間があり、飲酒が絡んでいるケースが少なくないという。これらの条件に当てはまるフライトにはなるべく一人で乗らず、また窓側の席も避けるべきかもしれない。

さらに、飛行機という密室空間でもし身の危険を感じたらどのように対処すればいいのか、Smarter Travelがフライトアテンダント協会会長のテイラー・ガーランド氏に聞いたところによれば、いくつか留意しておく点が浮かび上がった。

まわりに助けを求める。もし被害に遭ってしまったら、コールボタンを押し、ただちにフライトアテンダントを呼ぶことが被害の拡大を防ぐ。大声を出してまわりの乗客の助けを求めることも効果的だ。密室だから逃げられないのは被害者も加害者も同じ。

席を移動する。少しでも不快に感じることがあったら、すぐにフライトアテンダントに事情を説明して替わりの席を用意してもらうべきだ。

機長にも報告する。フライトアテンダントに被害を報告するだけでなく、機長にも報告することで法執行機関との連携体制が整い、飛行機が着陸した時点で警察が動いてくれるそうだ。

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山田ちとら

*Discovery認定コントリビューター

日英バイリンガルライター。主に自然科学系の記事を執筆するかたわら、幅広いテーマの取材とインタビューにも挑戦している。大学時代に断崖絶壁に咲く青いケシの花に憧れてネパールへ留学するも、ケシを見つけられないどころかトレッキング中トラブルばかりに見舞われて結局植物学から文化人類学へ転向。人間と自然の相互作用が研究テーマ。https://chitrayamada.com/

 

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