Credit : NASA, ESA, Amy Simon and the OPAL Team, and J. DePasquale (STScI)

土星ってやっぱり美しい…ハッブルの撮影した最新の土星画像

この写真は6月6日にハッブル宇宙望遠鏡により撮影された土星の写真だ。地球と土星との距離が約22億kmと一年の中で一番近い位置関係にあり、なおかつ土星の輪もバッチリ見える絶好の撮影チャンスだった。

 

土星の輪

Credit: NASA/JPL/STScI

1655年、土星が輪を持つことを最初に見いだしたのは天文学者クリスティアーン・ホイヘンスであった。1675年にはジョバンニ・カッシーニがこれが複数の輪からなること、輪に隙間のある部分もあることを発見した。約300年後、NASAのボイジャー1号は土星を接近通過し、この際に土星の輪は何千もの薄いリングから構成されていることが判明した。カッシーニ計画からは輪が作られたのは地球がまだジュラ紀であった2億年前ほどであることが示唆されている。

特徴的な土星の輪は半径約14kmあるものの、厚みは僅かに数100mしかない。土星の公転周期(30年)に合わせ、地球から見える土星の輪の傾き具合は変わる。これにより15年ごとに土星の輪を真横から見ることになるのだが、そうなると厚みが数百mと薄い土星の輪がほぼ見えなくなる「土星の輪の消失」が起こる。その逆に一番土星の輪が傾きを増して見える時期も15年ごとに訪れ、前回は2017年がその年であった。それからわずか1年である今年撮影されたこの写真でも輪は美しく写っている。

はっきりと写真に写る土星の輪は、外側からAリング(これにはエンケの間隙も見て取れる)、大きなカッシーニの間隙を挟んでBリング、そしてマクスウェルの空隙を含むCリングを識別することもできるだろう。なお2009年にはカッシーニがBリングに雪山のようなものが連なる不思議な写真を撮影している。

氷や岩石の粒子でできている土星の輪は、高速で動いており、これにより新しい衛星が生み出されているとされ、その環境は「初期の太陽系と似ている」ともされる。

 

土星の大気

Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute

なお今回の土星の写真は外惑星大気レガシー(Outer Planet Atmospheres Legacy、以下OPAL)プロジェクトとして撮影されたもの。OPALプロジェクトは外惑星の大気力学や巨大ガス惑星の進化を理解しようという目的のものだ。

土星の大気の面で言えば、今は土星の北半球が夏で、大気が活発な時期となっている。土星の大気は水素を主成分とし、アンモニアの氷粒でできた雲があるが、雲の層が広がっているため木星と比べると表面に縞模様はあまり見えない。それでもこの写真で北極付近に明るい色の雲のすじが見えるのは、大気が活発なこの時期に嵐が崩壊していく様子が写ったものであると考えられている。また、よくよく見れば所々雲の塊もみえるのも面白いところだ。

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