DARPA災害用ロボット技術発展のため、極小サイズのロボットオリンピックを企画

米国防高等研究計画局DARPAは7月17日、「オリンピックスタイル」のマイクロロボット評価プログラム「SHRIMP」を発表した。しかしこれはただの競技では無い。その目的は災害救助にロボットを活用することにあるのだ。

 

SHRIMP

「SHRIMP」は短距離独立マイクロロボットプラットフォーム(SHort-Range Independent Microrobotic Platforms)の略であり、このプログラムではロボットたちがその強さ、素早さ、機敏さなどを競うことになる。

だがその目標は災害時に活用可能な多機能の昆虫サイズのロボットプラットフォームの開発とデモンストレーションにある。災害時の活用を目的としたロボットは、人には危険な場所にも赴ける。しかし従来のものは大きすぎてしようが困難な状況も多い。そのためこのような小さなロボットが開発されれば、人にも、従来の災害ロボットにもアクセスできない狭いような場所でも活躍できるのだ。

 

ミニロボリンピックで進化せよ小型ロボたち

DARPAはこのプログラムにより、ロボットのサイズを大型化したり重量を増すこと無く性能を向上させるための新たな素材開発に期待している。

特に重要なのはアクチュエーターや動力源に用いられる素材の研究だ。アクチュエーターはロボットの移動性能や耐荷力、機敏さなどに重要な役割を果たす。

動力源の研究も重要だ。例えばワシントン大学の開発するハエ型ロボットはサイズこそハエほどの大きさではあるが動力源は内蔵せず、レーザーを当てることにより外部から電力を供給するものとなっている。しかし「独立」したマイクロロボットプラットフォームを目指すSHRIMPでは、このような電力をテザリングする形では無く、完全に単独で独立して稼働できるロボットをのためのエネルギー貯蔵素材、そして効率よく限られたエネルギーを使うことのできる電力変換回路の研究を推進したいとしている。

 

重量挙げに砲丸投げも

Credit: Serg (Sergey Kornienko (?)), cropped by Zanaq

災害救助への活用を考えてつくられたこのプログラムだが、「オリンピックスタイル」の競技によりロボットたちを評価するものとなっている。

この競技ではアクチュエーターの性能を測るため、ジャンプの高さを競う「高飛び」、飛距離を競う「幅跳び」、アクチュエーターが持ち上げられる限界を測る「重量挙げ」、1gと5gのものを遠くへ投げ飛ばす「砲丸投げ」などの他、重荷を引く「綱引き」もある。これらの競技全てに同じロボットを用いる必要は無いが、多機能も目標とされていることもあるため望ましくは一つのロボットが複数の競技をこなすことであり、一つのロボットを全ての競技に用いてもよい、とDARPAはしている。

このプログラムの合計予算は3200万ドル(約36億円)となっているほか、アクチュエーター、動力源、プラットフォームの3つの技術分野にてそれぞれオリンピックのように上位3エントリーには金銀銅の賞与資格が与えられる。FBOの資料によれば実際のオリンピックスタイル競技が行われるのは2021年3月以降の予定だが、もしかしたら将来極小サイズのロボットたちの競技に世界が沸くとともに、災害時にそのようなオリンピックアスリートたちが活躍することになる未来が来るのかもしれない。