NASA、ジェミニ10号のタイムラプス写真公開…1966年宇宙の旅を振り返る

写真は1966年、ケープカナベラルから打ち上げられたジェミニ10号の発射時のタイム露出写真だ。人類初の月面着陸を成功させたアポロ計画の影に隠れてその名を知らないという若い世代も多いかもしれないが、人類の宇宙史を語る上でもジェミニ計画は重要な歴史だ。

 

ジェミニ10号

Credit: NASA

1961年から66年にかけて行われたジェミニ計画は、58年から63年まで行われたアメリカ初の有人宇宙飛行マーキュリー計画に続くもので、その目的は後のアポロ計画で必要な技術の開発検証であった。

写真に写るジェミニ10号は船長のジョン・ヤングとパイロットのマイケル・コリンズを載せて打ち上げられ、3日近いミッションを行い帰還した。ジェミニ10号は同8号と9号(9-A号)がなし遂げることのできなかった地球軌道上のアジェナ標的機とのドッキングや、別のアジェナ標的機からの微小隕石収集装置などを成功させる功績を残している。また、地球大気の中では撮影が不可能な紫外線での写真撮影も行われている。

 

船外活動でのハプニング

Credit: NASA/Mike Collins

だがジェミニ10号は全く問題無くミッションを成功させたわけではなかった。

アジェナ標的機とのドッキングまでにすでに予定よりも燃料を消費してしまったため、当初計画されていたアジェナからの切り離しと再ドッキングはキャンセルされた。その後ジェミニ10号はドッキングしたままアジェナの推進装置を用いて、当時人類が到達した中で最も高い高度約764kmまで上昇した。

ジェミニはこのアジェナ標的機と切り離しの後に、別のアジェイ・メータからの微小隕石収集装置回収ミッションが行われた。このためのマイケル・コリンズの船外活動の際にはアジェナ標的機の表面に捕まるところが無いことから困難を極め、活動の過程でコリンズはハッセルブラッドのカメラを紛失してしまった。そのためこれが今に至るまで写真撮影されていない唯一の船外活動となっている。

この宇宙遊泳の際には、ジェミニがアジェナにも船外活動をするコリンズにもぶつからないようにヤングがジェミニの位置補正を行っていたが、ここでも燃料が僅かであることが問題となった。燃料をこれ以上消費しないためには船外活動を途中で止めるしか無く、当初の90分の船外活動は39分に縮められた。

 

アポロ計画の更に先へ

Credit: NASA

このような困難に直面したものの、ジェミニ10号は二人の宇宙飛行士を乗せて無事に大気圏再突入、大西洋に着水、そして回収された。NASAのミッション報告書ではこのフライトは特にランデブー、ドッキング状態での移動、船外活動や制御再突入の面において「有人宇宙飛行の知識に著しく貢献した」と評価している。(なおジェミニ計画での「困難」という意味ではジェミニ8号の方が大変な目に遭っているので実録宇宙インシデントに興味のある方は調べてみるとよいだろう。)

ジェミニ計画無くしてはアポロ計画の月面着陸は無かったことだろう。もうかれこれ50年以上前の有人宇宙飛行であったが、ジェミニ計画当時に開発された技術は今も、そしてこれから先の人類の火星行きにも役立てられることとなるのだ。