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「走る車の中にいる虫は同じスピードで飛んでいるの? 」あなたは子どもの素朴な疑問に答えられるか

走っている車の中にいる虫は、車とおなじスピードで飛ばなければいけないの?

 

こちらは12歳のサラちゃんがThe Conversationの子どもフォーラム『Curious Kids』に投げかけた素朴な疑問。

大人の先入観は一切抜きで、子どもの柔軟な思考で考えてみよう。

 

まずは、虫が飛んでいない場合

あなたがウキウキしながら車に乗り込むと同時に、一匹のハエが車のなかに飛び込んできたとしよう。そしてそのハエはお行儀よくあなたのとなりの席にとまったとしよう。

車が動き始めると、車の座席があなたとあなたのとなりにいるハエを押し始め、あなたは車と一緒に前へ動き始める。この時、座席があなたやハエにかけている力を「摩擦推力」という。

あんまりパパかママが車を飛ばしすぎると、あなたのお腹あたりがぐ~んと押されるような切ない気持ちになって、首がガクッと後ろに倒れるだろう。(どうかあなたのパパやママがそんなに恐ろしいスピードを出して運転しませんように!)それだけ摩擦推力が強くなるためだ。

ためしにペンジュラムを作って車のなかでどうなるか実験してみよう。車が加速している間、ペンジュラムはななめに傾きっぱなしなはずだ。

パパかママがなんとか落ち着いて、一定のスピードで車を運転し始めると、今度はペンジュラムはまっすぐ下にさがるはず。もし道路が新しくてまったくデコボコしていなかったら、あなたは自分が前に動いているのかわからなくなってしまうかもしれない。もちろん、窓の外の景色を見ればすぐわかってしまうけど。

そのまま車の中でボールを投げてみよう。ボールはいつもと変わらず真上に飛んであなたの手元に落ちてくる。そう、あなたから見れば、車内でボールをほうり投げるのも、公園でボールをほうり投げるのも変わらないだろう。あなたも、ボールも、そのまわりの空気も、となりにまだとまっているハエも、すべて同じスピードで加速しているからだ。

 

今度は、ハエが飛び回っている場合

あ、ハエが飛び立った!

もしパパかママがそのまま一定のスピードで安全運転し続けたとしたら、ハエも空気もぜんぶ一緒のスピードで動いているからハエは自由に飛び回れる。ボールとまったく同じだ。車のスピードに合わせて前へ飛ぶ必要はない。

でもこの場合はどうだろう。

もしあなたが車に乗り込んだと同時にハエも車のなかに飛び込んできて、そのハエがどこにもとまらないでブンブン飛び続けていたら?

心地よいエンジン音ともに車が加速している間は、そのハエはいつもよりちょっとだけ速く飛ばないと前へは進めない。でも車のスピードとはくらべものにならないほどちょっとだけだ。

なぜだろう?それはハエがとても軽いから。

ハエは軽いので、空気抵抗を受けやすい。車がスピードを上げている間は車内の空気も一緒に加速しているので、その空気がハエを前に押してあげている。

ちなみにこれがハエではなくて立派なカブトムシだった場合は、体重が重くて空気の力だけでは前に進めないので、もうちょっと頑張って飛ばないとダメだそうだ。

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以上、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学で工学とITを教えるケイト・ウィルソン博士の回答だ。サラちゃんは納得してくれただろうか?

 

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