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【宇宙旅行が実現する日】第1回:これまでと、これからの宇宙旅行

宇宙に滞在し、無重力を体験し青い地球を眺める……。そんな「宇宙旅行」こそ、究極の休暇の過ごし方だろう。

しかしそう遠くない未来、お金さえあれば誰でもこのような体験ができると聞けば、多くの人が驚くのではなかろうか。

この連載では、実現が間近に迫った宇宙旅行の過去と未来について迫ってみたい。
 

自費で宇宙へと旅立った旅行者たち

Image Credit by Wikimedia Commons

実はこれまでも、会社がスポンサーになったりあるいは自費で宇宙へと旅立ったりした民間人は存在する。

まず日本人にとって身近なのは、ジャーナリストの秋山豊寛氏だろう。秋山氏は1990年に旧ソ連の「ソユーズ」宇宙船に搭乗し、「ミール」宇宙ステーションに滞在している。

その他にも米スペース・アドベンチャーズ社とロシアとの契約のもと、2001年からデニス・チトー氏をはじめとした7人がソユーズに搭乗し国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している。ただし、その滞在費用は極めて高額だったことも報じられている。
 

垂直離着陸で宇宙を目指すブルー・オリジン

Image Credit by ブルー・オリジン

しかし現在は、過去の例とは異なる新方式の移動手段による宇宙旅行が、複数の民間企業によって提案されている。

たとえばオンライン通販のアマゾンを立ち上げたジェフ・ベゾス氏が率いるブルー・オリジン社は、垂直に打ち上げられまた着地も可能なロケット「ニュー・シェパード」による宇宙旅行を計画してる。

ニュー・シェパードは国際宇宙ステーションよりは低いが、高度100kmにまで達する。そしてロケット上部に搭載された宇宙船に搭乗した旅行者は、数分間の無重力や美しい宇宙と地球の光景が楽しめるのだ。

なお、ブルー・オリジンは2019年から宇宙旅行のチケットの販売を開始すると明言している。
 

スペースプレーンでも宇宙へ

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一方、英実業家のリチャード・ブランソン氏が設立したヴァージン・ギャラクティックはスペースプレーン「スペースシップツー」による宇宙旅行を計画している。

スペースシップツーはまず、母艦となる「ホワイトナイトツー」に吊り下げられて高度約14kmで切り離される。その後にロケットエンジンを点火し、高度110kmの宇宙空間に到達するのだ。

ヴァージン・ギャラクティックはすでに宇宙旅行のチケットを25万ドル(約2800万円)で販売しており、計画に支障がなければ年内にも商業運行を開始する予定だ。

過去の宇宙旅行は、宇宙ステーションへと向かう宇宙飛行士の席を購入するいわば「相乗り」の形で実施されてきた。しかし遠くない未来には、完全に宇宙旅行を目的とした宇宙船の運行が始まるのだ。
 

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki

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