火星南極の春の訪れと共に謎の血管状「蜘蛛地形」現る

人の血管や、植物の葉脈のように見えるこの画像は、実は火星南極だ。一体何故このような形になったのか、その答えは一酸化炭素にあった。

 

蜘蛛地形

まるで「蜘蛛」が地面から現れ出たような、とNASAが形容するこの光景は「araneiform terrain」と呼ばれるもの。これはコガネグモ科を意味する「araneid」の形(form)をしている地形(terrain)という意味なので、蜘蛛が地面から出てきているよう、という形容もあながち的を射ていないでもない。

これは地球では見られない季節現象だ。火星の南極は二酸化炭素出できた氷帽に覆われており、春になり日が当たるとこのような光景が現れる。

いわゆるドライアイスであるこの氷は、春になり暖まると固体から気体となるのだが、地表下で気体となった二酸化炭素はそこに溜まったままとなる。これが時間を掛けてこれを覆う地表の氷に圧力を掛けていき、しまいには氷を破り埃を吹き上げて噴出する。写真の中で黒く写るのはこうして二酸化炭素が大気に噴出した埃だ。二酸化炭素噴出後も地形はそのまま残るので、このようにして蜘蛛状の地形ができあがるのだ。

画像は火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが今年5月13日に捉えたもの。ティラミスのような火星北極の夏とはまた違った面白い光景だ。