Credit : beachton123 via YouTube

ロケットエンジンの大轟音、虹を空から吹き飛ばす

ロケット発射時の音はとても大きいが、その音で虹をかき消すことができるとご存じだっただろうか?

 

虹が消えた…

この動画は2010年2月に太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー打ち上げ時のもの。

動画1分50秒あたりでは、虹状の「幻日」が画面右側に見える。これは大気中にある六角形をしたの皿状の氷の結晶が太陽を反射して起こる現象だ。続く数秒の内にアトラスVロケットが空を駆け抜けると同時にこの幻日は消え去る。一体何故だろう?

 

打ち上げで生じる不思議な現象

NASAによればこの虹が消える不思議な現象は、アトラスVの衝撃波が雲の中の氷の結晶の並びを崩したためだ。

更にそれとほぼ時を同じくしてアトラスVの左側に突如として白い雲のような光が縦方向に現れる。NASAに語る大気光学の専門家レス・カウリー(Les Cowley)らによればこれはこのときに初めて見られた現象だが、ロケットが氷の結晶を少し傾いて回るコマのように回転させたことにより出現したハロー/暈(かさ)ではないかとしている。

 

危険な音波

なお先の打ち上げの動画のタイトルは「ソニックブーム」(Sonic Boom)となっているが、ソニックブームは超音速でないと現れず、機体後方にコーン状の跡をつけるものだ。動画中に波状に見えるのは音波だ。

このようなロケットの打ち上げでは200デシベルもの大轟音が生じる。Science Magは120デシベルが人の痛覚閾値で、165デシベルの音は髪の毛に火をつけることができるというし、NASAによれば発射台の側にもし人が居た場合、熱ではなく発射の際の音により死んでしまうそうだ。

打ち上げ時の音はものすごいもので、建物だって崩れてしまうかもしれない。そのため付近の建物には対策が必要だ。Popular Scienceによれば、ケネディ宇宙センターのスペースシャトル組立棟は発射台から4.8kmほど離れて建っているものの、それでも発射台から145デシベルの音が届くことが想定されたので、アルミパネルや鉄桁により発射時の音が建物内部に影響しないような構造にしてつくられている。

このような轟音が影響を与える対象には、打ち上げられるロケットも含まれる。NASAは地面で跳ね返る打ち上げ時の轟音からロケットそのものを守るため、発射直後に発射台を水浸しにすることでこれを相殺する実験(上動画)も行っている。

RELATED POST