Credit : ESA/CNES/Arianespace

次世代打ち上げロケットに搭載予定の世界最大のロケットモーター…ESAのP120C

先日ESAの衛星が海路でフランス領ギニアへと旅していたが、こちらの写真で線路を使ってギニアの宇宙港の発射テスト台へと向かうのは世界最大のロケットモーター、P120Cだ。

 

世界最大のロケットモーター

Credit: ESA/CNES/Arianespace

P120Cの外側はカーボンファイバー製、高さ約13.5m、直径約3.4mだ。142トンの固形燃料を積み、真空状態での最大推力は4615kN。世界最大のこのロケットモーターは、ギニアのクールーにある発射テスト台にて今週、静的点火試験(static hot firing)が行われる予定だ。ロケットモーターの各部品はそれぞれ個別に試験を済ませているが、この試験は全てを組み立てた状態での初めての試験となる。

 

ロケットモーターが飛ばすのは

Credit: ESA-David Ducros

こんな巨大なロケットモーターを何に使うのかというと、もちろんロケットの打ち上げだ。P120CはESAの打ち上げロケット、ヴェガCやアリアン6のブースターとして用いられる。

ESAの人工衛星打ち上げロケット、ヴェガCは2019年中頃にお披露目予定の4段式ロケットだ。これは現行のロケットヴェガの後続機で、打ち上げコストは同じながら、打ち上げ能力を1.5トンから2.2トンへと向上させた。そんなヴェガCの第1段目にこれまでのP80ロケットに代わり使用されるのがこのP120Cロケットモーターなのだ。

同じくアリアン6も現行のアリアン5の後続機で、打ち上げ能力はヴェガCよりも大きな最大10.5トンになる。打ち上げは2020年を予定している。

 

パワフルなロケットに発射台も…

p120c-180710

写真のテスト台にてテストが行われるのを待つP120Cだが、流石に世界最大なだけあり、ESAによればこのテスト施設もP120Cのために変更を加えなければならなかった。

これはP120Cを使用するロケットに関しても同じことで、例えばヴェガCの発射台や移動式発射やぐらもよりパワフルなブースターに対応するため、よりパワフルなクレーンに変えるなどの変更が必要だ。この発射台の変更は、ただヴェガCに対応するように改造するというだけではなく、ヴェガとヴェガC両ロケットが共に使用できるように変更が加えられるという。

パワフルなロケットを作ればそこに注目が集まるのは当然だが、ある意味では文字通り「木の長きを求むる者は必ず根本を固くす」という諺に示されるように、パワフルなロケットにはそれに対応した強い打ち上げ台がないといけないというわけだ。

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