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ロボットが人を見て学ぶ日は近い?動画を1度見るだけで作業を再現

行う作業を1度見ただけで覚えちゃう…そんな学習方法をロボットにも可能にする手法が研究された。どんな動作でも可能なわけではないが、「MAML」と言う名の手法を用いるとロボットに1度動画を見せるだけで、動画とは少々違う環境でも再現できてしまうようだ。

 

1度だけ見た動作を再現するロボット

これまでロボットに物事や作業を学ばせるには、作業のそれぞれの工程について長いコードを書かなければならなかった。最近になって、人が行う作業をロボットに動画として見せることにより、各工程のコードを書かずともロボットに学習させるという手法が生み出された。それでもロボットに何千回も動画を見せなければロボットは学習できなかった。

人間や動物なら一度見ただけで覚えられるようなことでも、ロボットには難しい。これを変えるため、カリフォルニア大学バークレー校は、「MAML」(モデル非依存メタ学習 / model-agnostic meta-learning)という手法を用いることで、人間が作業を行う動画を一度だけロボットに見せるだけで作業を学ばせるという研究が行われた。

この手法でロボットは、これまでの経験を元に新たなことを学ぶようになる。一度動画を見て行った内容から、別の動画を見たときにそこで起こっていることを推論するので、例えばこれまでに赤いボールをコップに入れる動作を行っていれば、青いボールを箱の中に入れる動画を見たときに以前の知識を利用してそれをこなすことができるというわけだ。

 

1度見ただけで何でもできるわけではない

実験ではPR2 ArmとSawyer Armという二つのロボットアームが用いられ、手に持ったオブジェクトを動画で見たのと同じ場所に置いたり、動画中で動かされたものと同じオブジェクトを押したり、持ち上げて特定箇所に置いたり、といった動作が行われている。

「1度動画を見せるだけで」とは言え、これはSF映画に登場するような一度目にしたものを完全にマスターできる凄いロボットではない。実験では動画中で人間がロボットにとって新たなオブジェクトを移動させる様子が使われ、それを1度見ただけでロボットがそれを再現するというものではあるが、ここでロボットが行う動作そのものはロボットにとって完全に新しい動作ではない。

だがこの実験が示したのは、行う動作こそすでに知っているものではあるが、動画を1度見せることで、動画中とは異なる視点からや環境においても見た動画と同じ作業を行うことができるということ。このような学習手法がより洗練されたものになれば、幅広いユーザーにとりロボットの導入がより容易になることだろう。この研究のプレプリント論文はarXiv.orgに今年2月に掲載されている。

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