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7月2日は世界UFOデー…近年増える政府の機密解除に、UFOが科学される日も近い?

世界ネコの日などと比べると認知度が高いと言えないが、去る7月2日は世界UFOデーだった。これはUFOの一般認知を高めると共に政府に情報公開を求めるなどというイベントだ。このイベントのおかげかどうかはわからないが、各国政府が近年になりこれまで機密扱いだったUFO関連の文章を公開していることからすれば、もしかするとその目標は徐々に達成されつつあるかもしれない。

 

世界UFOデー

World UFO Day.comによれば、世界UFOデーは2001年にトルコで活動するUFO研究家、ハクタン・アクドガン(Haktan Akdogan)が広めたもの。先に述べた目的の他にも、World UFO Day.comはこの日にUFO探しに空を眺めたり、UFOや宇宙人シャツを着てUFOテーマのアクティビティーなどを行うことを推薦している。

世界UFOデーを直前に控えた去る6月28日、The Conversationではニューヨーク州立大学オールバニ校物理学准教授でNASAの元リサーチ・サイエンティストのケヴィン・クヌース(Kevin Knuth)が「この話題には真面目に科学的な研究が行われるべき」だとする記事を寄せている。

彼が在学中だった1988年モンタナ州立大学では、学生仲間と当時起きたキャトルミューティレーションとUFOとの関連について語っていた。すると物理学の教授が会話に入ってきて、モンタナ州マルムストローム空軍基地で働く彼の同僚曰く、この基地ではUFOのせいで核ミサイルが機能停止するという問題が起きたと語った。当時クヌースはナンセンスだと思っていたが、その20数年後、2010年に米ナショナルプレスクラブで元アメリカ空軍関係者たちが彼らの体験、目撃した米空軍の核ミサイル施設などでのUFO事件などを語っているのを見たクヌースは驚いたという。そこでは当時話に出ていたのと同様のマルストローム空軍基地でのUFO事件が詳しく述べられていたからだ。

 

政府組織も公表する謎の飛行物体

特にここ10年はアメリカのみならず、カナダ、デンマーク、エクアドル、フランス、ニュージーランド、ロシア、スウェーデン、イギリスなどもUFO関連の情報が機密解除されている。

2010年のBBCの報道ではブラジル政府はブラジル空軍にUFOの公式記録を残すように命じている。ブラジルでは1986年にも同空軍がサンパウロ上空のUFO出現に緊急発進した記録がある。

2014年11月にチリ海軍のヘリコプターがパトロール中に撮影したUFOの動画が昨年初め世間を賑わせたのも記憶に新しい。これはUFO/UAP調査のためのチリ空軍傘下の政府機関CEFAAが調査し公開したもので、ヘリコプターに搭乗するパイロットとテクニシャン両者が裸眼でこれを確認したほか、これは可視線カメラと赤外線カメラ、で9分ほど撮影され、UFOが高い熱を持つ何らかのガスもしくは液体を2度噴出するさままで記録されている。気体のレーダーでは感知不能、カメラのレーダーでのロックオンも不能で、複数の帯域幅で交信を試みたものの応答は無し。一体何であったかは謎だ。

また、ニューヨークタイムズは2017年の報道で、2200万ドルの予算が投じられたアメリカ国防省の極秘プログラム「先進航空脅威識別プログラム」(Advanced Aerospace Threat Identification Program)を明らかにしている。また、このプログラムをディレクターだったペンタゴン職員ルイス・エリゾンド(Luis Elizondo)らは、パンクバンド「ブリンク182」のギタリストであるトム・デロングが創設したUFO研究コミュニティー「To the Stars Academy of Arts & Science」に参加。また、このコミュニティーは機密解除されたアメリカ国防省が持っていたF-18で撮影された未確認飛行物体の動画(上動画)を公開するなどしている。

先日機密解除された文章からは、イギリスの国防省に存在した「X-ファイル課」こと「DI55」部門とそれが閉鎖されるに至るまでの「もし将来これが判明したら大きな恥だ」などといったやりとりが判明している。

 

真面目な科学対象にされないUFO

Credit: Parzival191919, CC BY-SA 4.0

ケヴィン・クヌースは、政府や軍の高官などが目撃を語るUFOが真面目に科学的な調査の対象とならないことを嘆いている。

ニューヨークタイムズのインタビューに答えるビゲロー・エアロスペースの創設者であり、先進航空脅威識別プログラムを後押ししたロバート・ビゲロウもまた、アメリカでは科学者達がUFOの話題について敏感であり、UFO関連の話題はタブー視されているとしている。ビゲロウによれば、アメリカはこの話題に置いては後進国だとのことで、中国、ロシア、などといった国々の方がUFOの話題にオープンであり大きな機関が調査に動いているとしている。

もちろん政府組織のみならず、科学者達だってUFOを目撃する。もう40年程前のことになるが、1977年にはスタンフォード大学の宇宙科学者で天文学者のピーター・スタロック教授がアメリカ天文学会の会員2611人にUFO目撃に関するアンケートを送っている。このうち1356名から回答があり、そのうちの62人は説明不能な大気現象を目撃もしくは記録したとしている。ここでは、全回答者の50%はこれは科学的に調査されるべきと回答しているが、20%はそうは思わないと回答している。

未確認飛行物体UFOのその正体の多くは見間違いだったりする。だが、UFO目撃の5%は調査されても今の我々の知識では説明つかないものだ、と『UFOs:Generals, Pilots and Government Officials Go on the Record』などの著書を持つ調査報道記者のレスリー・キーン(Leslie Kean)はNBCNewsの記事で語っている。とは言え、裏を返せばUFOかと思ったものの95%が結局そうではなかったと判明するというのも一つの事実というわけだ。誰もが容易に目撃できるものでもないため、科学的な証拠を集めるのは難しいし、ただのいたずらや虚偽の報告などもある中で物事を探るのは困難を極める。だが、UFOをただの絵空事と考えずにこの未確認飛行物体を真面目に科学する姿勢が必要ではないだろうか。

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