スマートスピーカーの王冠は誰の手に? 出遅れるアップルとチャンス狙うフェイスブック

国内外のテック企業から次々と新製品が投入される、「スマートスピーカー」。

これはAI(人工知能)アシスタントを搭載し、ユーザーから話しかけられればさまざまな情報を提供したり、さらには家電などのコントロールもできる注目のプロダクトだ。

現時点で市場に投入されているスマートスピーカーはそれぞれどのような違いがあるのか、そして今後はどんな未来が想定されるのかを、考えてみよう。
 

圧倒的製品群で攻めるアマゾン

Image Credit by アマゾン

アマゾンは2014年11月から、他社に先駆けてスマートスピーカー「Amazon Echoシリーズ」を投入ている。搭載されたAIアシスタントは、独自開発の「アレクサ(Alexa)」だ。

Amazon Echoは質問への回答や音楽再生、メッセージの送受信、ニュースの読み上げ、アラームやスケジュール管理、スマートホーム製品の操作などが可能。なおこれらの基本機能は、他社のスマートスピーカーの多くでも利用できる。

Amazon Echoシリーズの特徴は製品ラインナップの豊富さで、小型サイズの「ドット(Dot)」やディスプレイ付きの「スポット(Spot)」など、自分のニーズにあわせた製品が選べる。さらに「スキル」と呼ばれる豊富な拡張機能により、まるでスマートフォンのようにできることが増やせるのも特徴だ。
 

AIアシスタントの性能でアピールするグーグル

Image Credit by グーグル

検索サービスで急成長したグーグルも、アマゾンに遅れること2016年11月からスマートスピーカー「Google Homeシリーズ」を投入している。動作するAIアシスタントは「Google アシスタント」だ。

Google Homeの基本機能はAmazon Echoと変わらず、質問への回答やニュースの読み上げ、音楽再生など。また小型デバイス「Chromecast」と連携し、音声操作でYouTubeをテレビで再生することも可能だ。

一方グーグルが開発に注力してきたGoogle アシスタントの完成度は高く、日本語の聞き取り精度などで一日の長を感じさせる。またGoogle 検索やGoogle マップなど、自社サービスとのスムーズな連携も特徴だ。
 

音質にこだわったアップル

Image Credit by アップル

一方、アップルによるスマートスピーカーの発売は2018年2月まで遅れた。アメリカやイギリス、オーストラリアと地域を限定して発売された「HomePod」には、AIアシスタント「Siri」が採用されている。

HomePodはその音質に大いにこだわっており、底面には大型ウーファーを搭載し迫力の低音再生を実現。さらに空間認識で自分の位置を感知し、自動で音を調整することができる。

Siriは「iPhone」や「iPad」で利用している人も多いだろうが、周辺サービスとの連携が若干弱いのが気になる。また現時点では上記3カ国にくわえてカナダやドイツ、フランスでしか販売されておらず、日本で購入することはできない。

Image Credit by USPTO

一方、スマートスピーカー分野で大きなつまずきを見せているのがフェイスブックだ。同社は今年にディスプレイ付きの新製品の投入を予定していたものの、個人情報の流出問題でリリースは延期に。ただし計画は中止されたわけではなく、今年中の正式発表が期待されている。

現時点では、発売時期が長くラインナップも豊富なAmazon Echoシリーズが市場で最大のシェアを占め、それにGoogle Homeシリーズが続き、HomePodは展開に苦戦している。これは価格の高さや連携サービスの少なさが原因だと指摘されており、噂されている廉価版や小型版の新製品の登場が待たれる。

AIの力で我々の生活を豊かにしてくれる、スマートスピーカー。今後も新規参入や新製品の投入が続くだろうが、その完成度は搭載されるAIアシスタントに左右される部分が大きい。はたして、アマゾンやグーグルのスマートスピーカーの真の対抗馬は今後現れるのだろうか。
 

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki