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人間の寿命に限りはあるのか…最新の研究の答えはNO?

長生きして玄孫を抱きたい?火星のコロニーに移住してみたい?

その願い、なんとか105歳まで生き延びれば叶うかもしれない。

カリフォルニア大学バークレー校の教授らが発表した人口統計学の研究によれば、人生105歳まで生きてしまえば死亡率は頭打ちになり、その後は110歳になろうとリスクは横ばい状態になるそうだ。

ただし、そこまで生き延びるのが大変という結果も出ている。特に90歳台は過酷で、90歳で一年未満に死亡する確率が15%だとすると、95歳になった頃にはその死亡率が24%まで上がるそうだ。つまり、生き延びられる確率がどんどん下がっていってしまう…105歳になるまでは。

 

死亡率は横ばいに

バークレー校のケネス・ワクター(Kenneth Wachter)教授たちはイタリアの国立統計研究所のデータをもとに、2009年から2015年に渡って高齢者3,836人分の死亡率を年ごとに計算した。高齢者の記憶があいまいなところもあるため、出生証明書を探し出して誕生日を確認し、亡くなった人の死亡証明書を照会する徹底ぶりだった。

その結果、人間の死亡率は80歳になるまでは急激に上がる一方だが、その後は緩やかになり、105歳を超えた時点からは横ばいになることを発見した。

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この研究に欠陥があるとしたら、それは男性が3,836人中463人しか含まれていなかったことだ。一般的に女性のほうが男性より長生きするといわれているためこのような偏りが生じたものの、ワクター教授は今回の横ばいのパターンは男性にも広く共通するはずだとLive Scienceにコメントしている。

さらに、ワクター教授は「わたしたちのデータからは、まだ人間の寿命の限界が見えてきていない」とバークレー校のプレスリリースに語っている。「ある程度の年齢まで行くと死亡率がひどくならなくなるばかりか、少し改善されるようだ」とも。

 

人間は何歳まで生きられるか

人間の最高寿命がいくつなのか、果たして存在するのかさえ、これまで科学者たちに激しく議論されてきた。

医療技術が進んで生活水準も改善し続けた結果、人間の寿命は19世紀以降延びてきている。人類史上最も長生きをしたのはフランスのジャンヌ・カルマンさん。ギネス世界記録によれば、122年と164日生きた。カルマンさんが1997年8月に逝去してから記録を破った人はまだいないが、これからも人間の寿命はどんどん延びていくのだろうか?

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今回の研究からはその可能性が伺える。進化人口学者であるワクター教授は、カルマンさんのように生き残った人は遺伝的に優れているために自然選択されたと考える。生まれつき体が弱かったり、病気になりやすい遺伝子を受け継いでいる人は病者除外バイアス(frailty selection bias)にかかって超高齢に到達する前に亡くなってしまう確率が高くなる。

100歳を突破できるほど体が丈夫な人に関しては、その後の生存確率はほぼ変わらない。また、人間が生きられるリミットも「何歳まで」と確定されているわけではなく、自然淘汰によるものだ。

このような自然淘汰による生存パターンは広く自然界に見られるという。「人間とハエとミミズとの共通点はなにか?一つだけ言えることは、すべては進化の産物だということだ」とワクター教授は語っている。

 

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