生物発光の色は何故、信号機の色が多い?赤、青、黄色の生物発光色

蛍にクラゲにチョウチンアンコウ…様々な地球の生物に見られる生物発光。だが、生物発光で見られる光の色合いは青、赤、黄色がほとんどだ。一体何故だろうか?

 

深海に多い発光生物

蛍の光などでも知られる生物発光は、バクテリアや化学反応などにより生物が放つ光。だが、その80%は実は海の生物が行うものだ。マシュー・P・デイヴィス(Matthew P. Davis)らの研究では生物発光の進化はこれまで海洋魚の系統の中だけでも30回近く行われてきた。その起源は古く、4億年前のデヴォン紀にも遡るとNew Scientistは伝えている。

 

海の青

Credit: Masaki Miya et al., CC BY 2.0

生物発光を詳しく紹介するSmithsonian.comの記事によれば、深海生物の実に半数以上は発光するとのことだ。魚、バクテリア、藻、環節動物などなど発光する生物の種類は様々。しかし彼らのほとんどが放つ光は青色だ。これは、水の中では波長の長い赤や、波長のとても短い紫は吸収されやすく、青い光のみが水中で遠くまで届くためのようだ。海が青く見えるのもこれが理由となる。

海の中で青い光を放つ魚に関しては、体内の化学反応により光るものが半分以上。それ以外は体内にバクテリアを住まわせることにより光るものだ。このような光は餌をおびき寄せたり、交配相手を見つけるためなどに使われる。

Wiredによれば、雌のみが光る深海のアンコウ目の20種ほどは、その両方のために光を用いている。雄はこのような器官を持たず、雌の放つフェロモンをめがけてやってきて、近くに来ると雌の放つ光でつがいとなるべき種かを確認し、雌にかみつき一体化し、雌の体に融解し役割を終える。海中でも遠くまで届くはずの青い光とは言え、広い海で近距離に来なければそうやくに立たないのか、99%の雄は童貞のままひもじく一生を終える。そう、雄は雌にかみつき精子を与えることだけが人生の目標であり、そうできねばただ餓死するのみだ。

 

夕暮れの黄色

Credit: Jud McCranie, CC BY-SA 4.0)

地上の生物発光はと言えば、海のものよりもだいぶ後に進化したもので、地上の生物発光は6500万年ほど前に登場したとされる。そんな地上の生物発光の色は、海のものとは違い黄色か緑が一般的だ。これは、夕暮れの中でも目立つことのできるコントラストの高い色合いであるためだとされる。

例えば蛍などが地上の発光生物として有名だが、もともと蛍の発光は警戒色として発展したのではないかと考えられている。しかし蛍はこれを、現在では求愛のために使用しているのだ。

 

ナイトビジョンの赤

Credit: Rafael Bañón, CC BY 3.0

赤い色で光を放つ生物は海にも陸にも珍しい。なぜなら長い波長の赤色は見えづらいからだ。

ワニトカゲギス科の「ストップライト・ルースジョー」(Stoplight loosejaw)は、その名の通り「赤信号」のような不気味な赤い目を持った魚だ。面白いことにこの魚の目の下からは青い光が放たれるのだが、それがタンパク質により再吸収されることで、赤い光へと変わる。

「レイルロード・ワーム」(Railroad worms)として知られるホノオムシ科の虫は、まるで夜行電車の窓から漏れる光のように体の節が緑に光るほか、頭の部分はヘッドライとかのように赤く光る。

レイルロード・ワームもストップライト・ルースジョーも、陸海の違いはあれど共に近眼の獲物からは見えづらい赤い光を利用して獲物を探す。この赤い光は、Smithsonianに寄稿するハーバード大学の微生物学と免疫生物学の博士課程学生、キャサリン・J・ウーの呼ぶところの「ナイトビジョンゴーグル」というわけだ。なので、チョウチンアンコウの光とは違い、「赤提灯」に惹かれて集まる飲んべえを取って食うために使われる明かりではないようだ。

今度蛍や海蛍を見る際には、発光生物の進化の歴史に思いを馳せてみるとあなただってロマンの明かりを心に灯した発光生物になれるかもしれない。