Credit : NASA/Ken Ulbrich

空港付近がより静かに…NASAの試験機、着陸時のエアフレームノイズを70%以上削減

飛行場近隣で騒音被害に悩む住民…そんな状況を改善するのにNASAの技術が活用できるかもしれない。試験ではなんと70%以上のノイズを削減できたという。

 

エアフレームノイズを減らせ

NASAは今年五月、アームストロング飛行研究センターにて音響研究測定(Acoustic Research Measurement、ARM)のフライト試験を行った。試験では、「エアフレームノイズ」を小さくする技術が試された。

エアフレームノイズは、航空機の推進部以外の部品が出すノイズのことで、主に着陸時に発生する。例えば着陸時にランディングギア(降着装置、着陸のためのタイヤなど)を出す際には、それまでランディングギアが格納されていた機体部分に空洞ができる。着陸時のエアフレームノイズは、このような部分のせいで生じるのだ。

NASAはランディングギア格納部分からのノイズを最大限に削減するため、コンピュータでシミュレーションを行い「ランディングギア・ノイズ軽減」(Landing Gear Noise Reduction)技術をつくりだした。これはランディングギアが機体から出された状態で、小さな穴がたくさん開いたフェアリングにより一部の空気がランディングギアの中を流れるようにするというもの。そして、ランディングギア格納部の空洞の縁に加工を施したり、開口部にネットを張ることで気流の流れを翼に沿うように変えるといった変更も加えられた。

もう一つのエアフレームノイズ削減として翼のフラップをシームレスでフレキシブルなものにすることで、離着陸時のエアフレームノイズを削減する「アダプティブ・コンプライアント・トレーリング・エッジ」(ACTE)も試された。従来のフラップは、翼との間に隙間があるが、この新たなフラップはシームレスに翼本体と繋がっており、航空力学的効率がよりよくなっているものだ。

 

70%以上ノイズ削減

Credit: NASA/Ken Ulbrich

このようなエアフレームノイズ削減対策は研究機ガルフストリーム III用に実装されて、同機は高度約106mで185のマイクロフォン・アレーの上を通過するという試験を行った。そうしたところ、エアフレームノイズが70%以上削減できたことが判明した。

NASAは航空機の騒音の削減は、今後の空の交通の成長には欠かせないとしており、今回のエアフレームノイズ削減はそのための努力として重要な成果だとしている。

なお今回の「70%以上」の騒音削減はあくまでもエアフレームノイズに関するものであり、プロペラやジェットエンジンなどの推進部分の音を小さくするものではない。

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