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蚊が発生しやすい年があるのは何故?答えは気温と降水量に

誰もが待ち焦がれる夏休み。しかし夏の楽しみのお邪魔虫となるのが蚊だ。だが年によって蚊が出にくいのは何故だろうか?その理由は気温と降水量にあった。

 

蚊の発生と気候

The Conversationに寄稿する生物学助教授、ヒース・マクミラン(Heath MacMillan)によれば、年によって蚊の数が変動するのは主に気温と降水量にあるのだそうだ。だが降水量と気温が単純に影響するわけではなく、蚊の発生予想にはいつ、どれだけ一度に雨が降るか、温度がどれくらい冷たい/暑いままか、などの要素が絡む。

多くの虫と同じく蚊も外温動物(ectotherm)であり、環境温度と体温が非常に近くなっている。そして気温が一定の温度範囲外となると、動きが遅くなったり成長が止まったり、時には低温障害になったり、死んだりもする。

蚊は実に3000種以上存在する虫だが、大抵のものでは幼虫が成長するためには7~16度の環境温度が必要だ。加えて、蚊の幼虫は完全に水生のため、大人になるまでの期間水が溜まった水溜まりが必要である。家の周りのバケツなどに水が溜まらないようにするのも蚊を増やさないためには効果があるだろう。

またこのため、蚊の幼虫が成長する時期である春夏が寒かったり乾燥していたりすると、その時期の蚊は少ないのである。

 

気候変動と蚊の生息域

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気温と降水量の変化により年により発生量が変動する蚊…そう聞くと、気候変動が蚊の生息圏にも変化を与えることを予想するのは難しくない。

気候変動により冬が暖かくなることで、これまで蚊が定住できなかった「蚊の生息圏の北限」も北上していくと考えられており、カナダ最南端付近のオンタリオ州のウインザーでは2016年から2018年に主に熱帯に住むはずのネッタイシマカとヒトスジシマカの成虫が確認された。

幸いなことにカナダで発見されたものはどんなウイルスも持っていなかったが、この2種類は特に熱帯地域では、マラリア、黄熱病、デング熱、チクングニア熱、ジカウイルスなどを媒介し、毎年何十万もの死者を出している。それが蚊が世界で最も危険な生物とされる所以だ。

人の血を吸うのは3000種の蚊のうち僅か一握りで、その中でも雌の蚊のみだ。それでも気候と発生に深い繋がりのある蚊の生息域の北上は、イライラする蚊の飛行音とかゆみだけでなく、蚊の媒介するウイルスの危険をも拡大させるということのようだ。

そんな人類の敵でもある蚊だが、さしあたり今夏の蚊の発生量はどんなものだろうか?

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