地球に襲い来る小惑星に備えよ!米国10カ年計画発表

NASAを含む米国の複数の政府機関が、地球にぶつかる可能性のある小惑星に備えるための国家準備計画を発表した。そこには5つの目標が示されており、これらを達成することで危険な小惑星に備える準備とするものだ。

 

危険な天体だらけ

地球の周りには数多くの物体が回っている。6500万年前に恐竜たちを滅ぼしたのも、10kmもある巨大な地球近傍天体(Near Earth Object、以降NEO)がユカタン半島に落ちたためだとされる。だが、小さめの天体が落ちてきても大惨事を引き起こすことになる。

NASAは40~60mの大きさであったとされるツングースカ大爆発を引き起こした天体にもふれている。ロシアのツングースカ上空で1908年に爆発したこの物体は、人類最初の水爆の数百倍、TNT換算で約5メガトンのエネルギーを破壊力を持っていたという。これにより2000平方kmの森が更地になった。NASAはこのように40mを超す物体も30万存在し、それらは地球衝突の数日以上前に検知するのは非常に困難だとしている。

これが140m以上の大きさのものになれば、60メガトンのTNT相当となり、核兵器で例えようとしてもこれまで実験された最も強力な核兵器よりもパワフルな破壊力となるため、一つの大陸に大きな損害を与えるほどとされる。そのような大きさとなれば発見して追跡するのもより容易となる。ここ20年の研究により、NASAとそのパートナーによって目録化された地球近傍小惑星2万5000のうち、140m以上のものはその3分の1ほどであるとしている。

しかしこれらよりも小さいものでも、発見が難しいと同時に都市部に衝突すれば大惨事を引き起こすものもある。例えば2013年2月にロシアのチェリャビンスクに落ちた小惑星は約20mほどの大きさだったが、人類初の水爆が放出したのよりも20~30倍のエネルギーで空中爆発した。このとき爆発の際の衝撃波により地上のガラスが破壊され、数千棟の建物と1000人以上の怪我人を出した。NASAによればこの時の20mの小惑星よりも大きなNEOは現在1000万近く存在しており、それらを地球の大気に突入するまでに検知することは極めて難しい。このようなものが人口密集地に衝突したら…と考えると恐ろしい。

地球に落ちはしなかったものの、今年4月にはサッカー場ほどの小惑星が地球と月とのちょうど間くらいの位置を横切るというニアミスをしている。そこまで近くを通過する軌道であったにもかかわらず、人類がそれに気づくことができたのは接近の僅か数時間前であった。

 

アルマゲドンに備えて

Credit: Creative Commons

そんなNEOに備えるためにまとめられた今回の計画書は、NASAの他、米合衆国科学技術政策局、米合衆国連邦緊急事態管理庁などアメリカの複数の政府機関がまとめたもので、そこに提示されている戦略目標は5つ。

1.NEOの検知能力を向上させる
2.NEOのモデリングやシミュレーションを改善する
3.NEOを偏向させたり破壊するための技術開発
4.NEOに備えるための国際協力を強める
5.NEO衝突時の緊急事態対応手順の確立

これらの目標を今後10年で達成することで、地球に向かい来る可能性のある危険なNEOに備えると言うわけだ。なお、巨大なNEOが地球にぶつかるコースであることが判明した場合重要になるのはその偏向と破壊となるが、そのためには現在の技術で得られるNEOの情報では不十分であるため、まずは速急に宇宙船を飛ばしNEOにフライバイしてこのNEOの詳細で正確な情報を得るところから始まる。その情報を元にNEOの物理的特性を分析し、それに見合った偏向/破壊技術を積んだ宇宙船を飛ばすことになる。だがこのような状況に面する前に、地球にぶつからないNEOで実際にこのような偏向/破壊技術をテストすべきともしている。

今回の計画書はあくまでもアメリカが国としてNEOにどう備えるべきかというものではあるが、速いところ国際協力も強めて、まだ準備が整っていないこの先10年の間に巨大な小惑星が地球にぶつからないことを願おう。なお、The Conversationでは今年初め、惑星科学と宇宙科学のMonica Grady教授が、少なくとも隕石で人類が絶滅するなんてことは「今のところは」心配しなくてもいいと語っている。