玉虫色を持った生物は自然界に時折見られる。一見すると派手にしか見えない玉虫色だが、最新の研究によるとなんとこれはカモフラージュにもなることがわかった。
玉虫色のその理由
タマムシやクジャクなど、自然の中の生き物には鮮やかな玉虫色(iridescent)を持つものがいる。これまで、その構造は理解されてきたが、その機能に関しては異性に魅力的に映るためという以上には考えられてこなかった。
だが、Scientific Reportsで5月25日に公開されたブリストル大学の研究では、これが迷彩としての機能を果たす可能性が指摘されている。
派手な玉虫色なのに、これがどうして迷彩になるのだろうか?
捕食者に形が識別しづらく
実験では形の違う複数の人工花が用いられた。花には、中にただの水が置かれたものと、「報酬」として砂糖水が置かれたものがあり、まずマルハナバチにどの花の形に報酬が用意されているのかを覚えさせた。
しかし、どの形の人工花に報酬があるのか覚えていても、花の色が玉虫色であればマルハナバチはこの花を認識することが難しかったのだ。つまり、見る方向により色が変わることで、探し求める形と違う形状に見え、混乱したのではないか、というわけだ。
研究の主筆であるカリン・シャーンスモ(Karin Kjernsmo)博士はブリストル大学のプレスリリースで、これはこのタイプの色彩が迷彩となることを示す初の証拠であると語っている。つまり、玉虫色の生物、例えば虫などは、捕食者に餌として認識されづらい可能性があるのだ。
とは言えこれをより明確にするには、マルハナバチの目以外でも確かめないといけない。研究者たちは今後、玉虫色の昆虫にとって一番脅威となる捕食者であろう鳥を使った実験を行う予定だ。