Credit : OpenClipart-Vectors / Pixabay
こちらは現代のパンダ。

2万2千年前に絶滅したパンダの新種見つかる

2014年8月、中国南部の洞窟で22,000年前の古代パンダの化石が発見された。現在この地域に棲息している野生のパンダはいないため、かつて中国大陸には広範囲にパンダ属の動物たちが棲息していたことを示す重大なヒントとなった。

そして大変な苦労の末DNAを採取、解析した結果、現代のパンダ(Ailuropoda melanoleuca)とはまったく異なる系統だとわかったそうだ。進化の過程で枝分かれし、現代のパンダと平行線をたどったと考えられるが、残念ながら絶滅してしまったためその姿はいまだ謎に包まれている。

中国科学院のプレスリリースによれば、古代パンダの頭骨の一部が見つかったのは中国南部に位置する広西チワン族自治区・楽業県。中国科学院のYingqi Zhang教授率いる洞窟探検家チームが発見した。今からおよそ2万2千年前の最終氷期極大期に生きたとみられ、今まで遺伝子が解析された中ではもっとも古いパンダだという。

Credit: Yingqi Zhang and Yong Xu / Chinese Academy of Sciences

Yingqi Zhang教授たちはこのパンダのミトコンドリアDNAを復元することに成功し、すべてのDNA配列情報を解析した。これを現代のクマ科の動物138種と古代のクマ科の動物31種と比較したところ、現代のパンダともっとも近い系統であることがわかった。およそ183,000年前に共通の祖先から枝分かれしてそれぞれの進化の道をたどったと考えられるそうだ。

Credit: Yingqi Zhang and Yong Xu / Chinese Academy of Sciences

大変な苦労と書いたが、ご覧のとおり化石はボロボロ。おまけに楽業県の高温多湿な環境においてはDNAの保存状態がすこぶる悪かったため、研究者たちはなんと148,326個にもおよぶミトコンドリアDNAの破片をパズルのようにつなぎ合わせて復元したそうだ。

Gizmodoによれば、ミトコンドリアDNAは母系の遺伝情報しか伝えないが、コピーが多く存在するため比較的簡単に採取できる。ところが、ひとつの細胞に一対しかない核DNAは、母系・父系両方の遺伝子情報を持ち合わせているが採取が非常に難しい。今後の課題はいかに核DNAを採取して解析するか。そうすることで、パンダのルーツがより鮮明に浮かび上がってくるからだ。

シャンシャンをはじめとする現代の愛くるしいパンダたちは、およそ20,000,000年前にほかのクマ科の動物と決別して独自の進化を歩み始めたが、その後の足取りはよくわかっていない。今回発見された古代パンダはそれよりずっと最近の183,000年前まで現在パンダと一緒の進化を遂げていたとみられる。今回の発見は、現代のパンダがどのように進化してきたのかを研究する上で非常に重要な手がかりになるとLive Scienceは指摘している。

古代パンダのミトコンドリアDNAにはすでに18か所の突然変異が確認されている。これらは氷河期の気候に適応する手段だったのではないかと考えられるそうだ。

RELATED POST