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【人類は火星へ向かう】第1回:スペースXの巨大ロケット、火星に到達するための仕組みとは

「人類が火星コロニーに移住する」というテーマは、SF小説や映画では定番でも、実現は不可能だろうと多くの人が考えていた。

しかし、宇宙開発企業「スペースX(SpaceX)」を率いるイーロン・マスク(Elon Musk)氏は、それを現実のものにしようとしている。

この記事ではまず、スペースXが開発を進める火星へと向かう巨大ロケット「BFR」の正体に迫ってみよう。

 

再使用を前提にした巨大ロケット

Image Credit by スペースX

かつて人類を月に運んだNASAの「サターンV」ロケットは全長約110メートルの巨大ロケットだったが、BFRもそれに迫る106メートルの巨大ロケットだ。

さらに、搭載可能な荷物量となる「ペイロード」では、BFRはサターンVを上回る150トンを実現している。またその与圧区画として、エアバスの超大型旅客機「A380」よりも広大なスペースが用意されているのだ。

 

100人以上が搭乗可能な宇宙船

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BFRは上段の宇宙船部分と下段のブースター部分の2つに分離できる。宇宙船部分は内部を区切ることで、人が滞在する「キャビン」としても利用可能。1つのキャビンには2〜3人の滞在が可能で、最大で100人以上が搭乗できる。

この宇宙船は2つの宇宙船同士で燃料の受け渡しをしたり、さらにエンジンを逆噴射することでの垂直着陸も可能となっている。

 

コストカットに貢献する再使用システム

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こちらは下段のブースター部分。スペースXは現在運用中のロケット「ファルコン9」でロケット着陸による再使用システムを確立しているが、BFRでも宇宙船やブースター部分を何度も再使用し、利用コストを下げる予定だ。

マスク氏によれば、その打ち上げコストは「500万〜600万ドル以下(約6億6000万円以下)」。これは、現在運用されているファルコン9の1/10程度のコストとなる。

 

2020年代の有人火星探査を目指して

現在、スペースXは2019年にBFRの小規模なテスト打ち上げを予定している。さらに2022年には2機のBFRでの無人火星着陸ミッションを、そして2024年には2機の有人ロケットと2機の無人ロケットを組み合わせた火星探査ミッションを計画している。

ただし、スペースXの計画は遅れることが常なので、このタイムスケジュールについては参考程度に考えたほうがいいだろう。

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それ以外にも、BFRは国際宇宙ステーション(ISS)への補給ミッションや人工衛星などの打ち上げ、さらには地球上のあらゆる地点を1時間以内で結ぶ超高速交通としての利用も想定されている。

我々は人類が火星に降り立つ姿を目にする、初めての人類になるのかもしれない。

 
「【人類は火星へ向かう】第2回:火星コロニーへの移住は実現可能なのか、イーロン・マスク氏語る」の記事を読みたい方はこちら

塚本直樹

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki

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