Credit : Eliyahu Yanai, City of David Archives

1cmの粘土片に2行の祈り…ダビデの町で1000年前のアミュレット発見

イスラエルのダビデの町から、約1000年前のものとされる祈りの記されたアミュレットが発見された。

 

僅か1cmの粘土片

イスラエルのメディアThe Times of Israelによれば、同国エルサレムの「ダビデの町」の9世紀から10世紀ごろのアッバース朝時代ものとされる発掘地から、陶器の破片やほぼ完璧な状態のオイルランプなどと共に、粘土でできた小さなものが発見された。

このわずか1cmの大きさの粘土片。そこにはアラビア語で「カリームはアラーを信ずる」、「アラーこそ世界の主なり」2行の文字が刻まれていた。これはカリームという男性の持ち物であったと考えられ、最初の文章は、これまで準宝石の石でできたスタンプや、メッカへの巡礼の旅路の道ばたの銘など、8~10世紀に記されたものと共通している。2番目の文章は実は一部が消えかかっているのだが、文の構成から、イスラム教の聖典コーランに登場する複数の節や、当時のスタンプなどにも見られるこの文章であったと推測される。

 

祈りのアミュレット

発掘の共同監督であるイスラエル考古学庁のイフタ・シャレヴ(Yiftah Shalev)博士がThe Times of Israelに語るところによれば、これはその小ささと、紐を取り付けるような穴が開けられ、これまでに同時代の遺跡から発見されているような決算書や布袋についていた印鑑証明の類いではなく、個人的な品やアミュレットであったのでないか、としている。

また、テルアビブ大学のユヴァル・ガドット(Yuval Gadot)教授も、その形状や記されている文章などから、お守りとして使われたアミュレットであったようだともイスラエル考古学庁の発表の中で語っている。

 

アミュレットinキッチン

Credit: Eliyahu Yanai, City of David Archives

アミュレットが見つかったのは、かまどが付近にあるの小さな部屋で、漆喰の床材の間に埋められており、もしかしたら部屋が作られたときに意図的にそこに置かれた可能性もあるという。

残念ながらこれが見つかった地域は保存状態がよくない。だがこのアミュレットが見つかった場所の設備などからは、そこで調理活動が行われたことを示している。この発掘現場では他にも同時代の家や店、工房などが見つかっており、今回の発見のあった箇所も、同じ工業地域の一部だったと考えられるとイスラエル考古学庁のプレスリリースでは語られている。

なおこの発見は6月第2週になされたばかりだが、発表があったのはそれから間もない6月第3週のこと。The Times of Israelに語るシャレヴによれば、これはイスラム教の聖なる月(ヒジュラ暦)であるラマダンの最中に発表時期を合わせたかったためだという。

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