Credit : NASA/JPL-Caltech/Cornell

火星探査機オポチュニティ休眠状態に…観測史上最も激しい砂嵐で

火星で観測史上最も激しい砂嵐がここ1週間半で観測されている。NASAの火星探査機オポチュニティはこの砂嵐の影響を受けてパワーセーブモードに入った。

 

巨大な砂嵐

オポチュニティは2003年に打ち上げられ2004年火星着陸後は約90日の運用予定を大きく超えて14年も活躍してきた。それを襲ったのが今回の大砂嵐。砂嵐により太陽が遮られたためにオポチュニティはバッテリー電圧が徐々に低下し、6月13日に地上との通信が途絶えた。バッテリー電圧低下によりパワーセーブモードに入り、ミッション・クロック以外の機能を停止させたのだ。

火星では砂嵐はよく起こる現象で、時には火星全体を覆うほどの規模にもなる。そのような火星規模の嵐は数週間から、長いときには数ヶ月も続く。そんな大規模嵐が最後に起こったのは2007年で、大体3から4火星年、地球の年月で言えば6から8年ほどの周期で起こると見積もられている。もちろんオポチュニティはその2007年の大嵐を生き延びて今まで活動してきたのだ。

今回オポチュニティをパワーセーブの睡眠へと誘った大砂嵐は、5月30日の時点で観測されていたものだが、徐々に規模を増し、NASAがこれを伝える6月14日の時点で火星の地表の4分の1に当たる3500万平方kmを覆い、まだまだ規模を拡大しつつあるところ。

 

不安な昏睡状態

Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS

(画像は5月31日から6月11日にかけてオポチュニティ「Opportunity」を覆い広がる砂嵐を捉えたもの)

Seekerによれば記者会見にてオポチュニティのプロジェクトマネージャー、ジョン・カラス(John Callas)は、彼のチームと探査機オポチュニティはとても強い絆で結ばれているとのべ「愛する人が病院で昏睡状態に陥った」状態と形容している。ただ、このコメントの中でカラスはバイタルサインは問題無く「医師は時間さえ経てば目を覚ます」と語るが、同時に高齢であるからとても心配だと比喩を交えて話している。

別の火星探査機スピリットは低温に晒されたために機能を回復できずその役割を終えたが、低温による心配は無いようで、大砂嵐が気温の上昇させていることから、オポチュニティの許容フライト温度である-40度を下回ることはないだろうとしている。嵐が去ればオポチュニティの太陽パネルに光が当たり、バッテリーをチャージして「昏睡から覚める」ことができるはずだ。今のところはオポチュニティの機能に問題は生じていないものの、いつまで続くか判らない嵐と、嵐が終わった後の環境の変化が予測できないことなどは不安要因となっている。

オポチュニティには災難だったが、火星の観測にはこの大砂嵐はもってこいの機会だ。現在マーズ・リコネッサンス・オービターなどNASAの3台の火星軌道衛星が火星を回っており、この一大現象をそれぞれの機器で捉え、火星の研究に役立てようとしている。

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