Credit : Lida Xing/China University of Geosciences

世界最古、ミャンマーで発見された琥珀の中にカエルの化石

2015年にミャンマー最北端のカチン州で採掘された美しい4粒の琥珀。中には世界最古のカエルの化石が封じ込められており、科学的大発見となった。

Credit: Lida Xing/China University of Geosciences

ミャンマーの琥珀は「バーマイト」とも呼ばれ、白亜紀の地層から採れる。これまでにも化石化した生物を内包したバーマイトが多く発見されており、2016年には古代鳥の翼や恐竜のしっぽが、また2017年には生まれて間もないヒナ鳥が琥珀のタイムカプセルに守られて現世に姿を現している。

今回発見されたのは全長3㎜にも満たない小さな赤ちゃんガエルで、およそ9900万年前のものと推定されるそうだ。

カエルの化石が琥珀の中で見つかるのは非常にめずらしく、前例が2件しかない。以前見つかっているカエル入りの琥珀はドミニカとメキシコでそれぞれ4,000万と2,500万年前の地層から採掘されたもので、今回の発見は世界最古となる。

カエルの化石自体、あまり存在しないのが長年生物学者たちを悩ませてきた。カエルの多くは湿った熱帯雨林に暮らすが、高温多湿の環境下では化石化しにくい。加えてカエルの体が非常にもろい造りとなっているため、化石となって何千万年も風雨に耐えられる可能性が非常に低いのだ。

今回カエルの化石を発見した中国地質大学の邢立達(Lida Xing)博士が「ミラクル」と表現したのにも納得がいく。以前からミャンマーの琥珀を調査していた邢博士は、フロリダ大学と協力してX線CTスキャナーでカエルの化石を分析した。作成されたコンピューター断層撮影像は今後の研究のためにオープンソースで提供しているそうだ。

Electrorana limoaeと命名されたこのカエルはすでに絶滅しているものの、現代のカエルと多くの共通点を持っていた。1億年の時を経ても基本的にはあまり変わっていないと考えられるそうだ。

「Electrorana」はラテン語で「琥珀のカエル」の意味を持つ。「limoae」はもともとこの琥珀を購入したが、後に研究のために提供してくれたMo Li婦人の名前を冠した。

ほかの3粒の琥珀にも苔類や竹に似た単子葉植物、昆虫類などが内包されており、Electrorana limoaeが暮らしていた環境は高温多湿の熱帯雨林だったことを立証している。また、アンモナイトや海洋貝虫類の痕跡も見つかったことから、この熱帯雨林の一部が海岸に沿っていたこともうかがえるそうだ。

カエルが地球上に誕生したのは2億年前と言われている。約6600万年前、地球に小惑星が落下して極端な気候変動をもたらし、恐竜や大型爬虫類を次々と絶滅に追いやった最中にも、カエルは哺乳類とともに生き延びた。やがて恐竜がいないのをいいことに爆発的な繁栄をとげた、か弱い印象だけど実はものすごくタフな生き物――それがカエルの真の姿だ。

ミャンマーの琥珀から、次はどんな発見があるだろうか。

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