13トンもある帽子はどうやって持ち上げられたか…未だ残るモアイの謎解明か?

イースター島にある「モアイ像」。以前の研究でモアイ像は石切場から「歩く」様に左右に体を傾けながら移動させられてきたとされるが、モアイが被る「帽子」がどのように石切場から運ばれ、今立つ位置に移動したのかはこれまで謎だった。だがEurekAlertで発表されたニュースリリースによれば、物理学者と人類学者によるアメリカの研究チームが、この謎を解き明かしたかもしれない。

 

モアイの帽子

Credit: Sean Hixon

モアイの頭にかぶせられている帽子は「プカオ」(Pukao)と呼ばれ、幅1.8mほど、重さ13トンもある。凝灰岩でできているモアイ像自体とは違い、た赤いスコリアという素材でできており、島の反対側で切り出されている。この帽子の素材はまず石切場で円柱状に加工して転がして運ばれ、それから帽子状に加工されたものとみられる。

研究では数ある帽子の共通点を見いだすべく調査された。帽子には大きさや形状は様々あるものの、共通点としては、帽子の内側のくぼみ、丸い形、そしてそれぞれがそれを被るモアイ像に対応した形となっていることが判明した。また、この素材は柔らかく壊れやすいことから、真上からモアイにかぶせていたとしたら帽子のくぼみの縁部分が壊れていたはずだ。

研究では帽子の3次元モデルも製作され、このモデルと先に述べたような様々な証拠からは、この帽子はモアイ像が完全に立ち上げられる前、像が17度前傾した状態で取り付けられたと考えられるとしている。

 

掛け縄説は実証できるか

Credit: Just Marine, CC BY-SA 3.0

この説では、島の住民は土や岩で像の前に傾斜をつくり、「掛け縄」(Parbuckle)という手法を用いて帽子を引き上げたとしている。この手法は転覆した船を起き上がらせる際などにも用いられるもので、ロープの中心を傾斜の一番上に固定し、ロープを円柱状の物体に巻き付けて、ロープ両端を引き上げる。転覆船の場合、円柱状の物体は船にあたり、モアイ像の場合はこれは帽子にあたる。この度の説では帽子の持ち上げを担うのは15人以下だとされる。

とは言えこの説は未だ実証されたわけでない。研究を行ったビンガムトン大学の人類学者カール・P・リポによれば、次の段階はプカオのレプリカを作り、この説の通りに前傾したモアイ像に15人以下で帽子をかぶせられるかどうか確かめて実証することにあるとのことだ。