ゴッホのひまわりが茶色くなるとき…最新研究で絵の一部が変色する事が判明

ゴッホの「ひまわり」が茶色くなる日が来るかもしれない。黄色いひまわりを描くのに使われた絵の具が、光や湿度により徐々に変色していくのだ。

 

ひまわりが茶色くなる

これはベルギーのアントワープ大学、イタリアのペルージャ大学、オランダのデルフト工科大学らの研究で判明したもの。研究ではオランダ、アムステルダムにあるファン・ゴッホ美術館所蔵のフィンセント・ファン・ゴッホ作「ひまわり」に対してX線を用いた新たな手法の非破壊的化学イメージング検査が行われている。この手法は非常に高解像で絵を調べることができ、筆運びに合わせて並んだ絵の具色素の結晶の向きまでもわかるほどだ。

そうすると、「ひまわり」の絵で使用されている黄鉛(クロムイエロー)の絵の具の一部が変色することが判明した。それはひまわりの花びらの明るい部分と、薄い黄色の部分だ。これらは「ジョーヌ・シトロン」と呼ばれるレモンイエロー色となっており、この部分には暗く変色しやすい黄鉛が使われていたのだ。この素材は光の影響を受けやすく、研究室での実験では、時間経過と共に表面部分がブラウン・オリーブ色になってしまうことがわかった。だがいつその変化が起こるのかは外的要因が多いため正確なところは判らない。

その一方で、エメラルドグリーン色と、赤色の鉛塗料部分はこれとは逆に時間が経過するにつれて白く明るくなることも判明。なお、黄鉛で描かれた絵の部分のうち、暖かい黄色部分ではこの絵の具が科学的に非常に安定していることから、それらの部分は今後数十年間同じ色を保てるだろうとのことだ。

 

絵画保存に活用

Credit: TU Delft

今回の研究で用いられた手法では、初めて絵画の中での変色のリスクの高さの違いを判別する事を可能にした。この手法は今後も絵画の保存に用いられていくことだろう。

なおファン・ゴッホ美術館では5年前から展示室の光量を低くすることで色の変化を防ごうとしているが、今回の研究結果を受けて今後色の変化をどうモニターするか決定するとガーディアンに語っている。

この研究はAngewandte Chemieに3月2日に発表されている。