Credit : ESA/Hubble & NASA

原始の宇宙の姿、重力レンズ効果で鮮明に

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたこの美しい画像のどこかに、まだ宇宙が若かった頃の光が宿っている。

思わず左下に輝く渦巻銀河に目を奪われてしまうが、こちらは比較的近い――そして新しい――星たち。目線をそのまま画像の上部へと移していくと、虹色がかった細い弧が描かれているのがお分かりにになるだろうか。こちらが重力レンズ効果で拡大された原始の銀河の姿だ。

一見ランダムに散らばっているかのように見える無数の銀河にも、じつは規則正しい重力の法則が働いているからこそそれぞれのポジションにいる。そして互いの重力で引き合いながら、銀河はほかの銀河と群れる。重力でよせ集められた無数の銀河はグループを作り、やがてはクラスターを作り、銀河団と呼ばれる気の遠くなるような数の星を擁する巨大な天体になる。

銀河団の重力はすさまじい。あまりに強いので、時空までも曲げてしまう。この銀河団による重力レンズ効果を利用することで、科学者たちは原始の銀河の姿を捉えることができる。

この画像に見られる銀河団の名をSDSS J0333+0651という。そのはるか後方、まだ宇宙が若かったころの銀河では、星が産声を上げている。銀河団がつくり出す重力レンズなしには、これほど昔の星の姿を観測することは不可能だ。

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