南極の氷の下に峡谷発見…温暖化すると海面上昇に影響

南極のこれまで人工衛星でもマッピングされる事の無かった部分の地形が初めて判明した。南極の氷の下に見つかった巨大な峡谷は、氷が溶ければ世界的な海面上昇を加速させる要因ともなるようだ。

 

巨大な峡谷

これまで南極点付近には衛星データのギャップが存在した。これは衛星軌道の傾斜などにより南極点付近がカバーされていないためだ。今回、このギャップを埋めるためにESAやノーサンブリア大学らによる「PolarGAP」プロジェクトが行われ、無線エコーを用いて複雑な地形が初めて明るみに出ることとなった。

データでは氷床の下に隠された峡谷が存在することが判明、南極にある3つの巨大な氷河下の峡谷が初めてマッピングされた。一番大きな峡谷は「ファウンデーション谷」(Foundation Trough)と呼ばれ、長さ350km、幅35kmもあるものだ。より小さいものも長さ300km、幅15kmの「パタクセント谷」(Patuxent)、長さ150km、幅30kmの「オフセット・リフト盆地」(Offset Rift Basin)とかなりの大きさだ。

 

溶けるとまずい

Credit: University of Northumbria

そこからは、気候温暖化により氷が溶け出し、氷床が薄くなれば、氷はこれらの峡谷の水路を通り速度を増して南極大陸の中央から海へと流れ出すであろうことが見て取れた。つまり南極の気候状況が変化すれば、これらの巨大な水路部分から南極内部の氷がより速く海へと流れ出てしまい、世界の海面を上昇させる要因となるのだ。

研究者らは追加調査を行い、現地調査や氷河形成プロセスの数値モデリングなどを行いたいとしている。今回の調査結果はジャーナルGeophysical Research Lettersで5月4日よりオンライン公開されている。