110万人の名前を乗せて…太陽に一番近づく宇宙探査機パーカー・ソーラー・プローブ

NASAのパーカー・ソーラー・プローブは太陽の大気にまで到達するという史上初の太陽大接近ミッションのための探査機だ。そこには太陽を調べるための機器や110万人の名前、太陽風に関する論文も載せて来月飛び立つ予定だ。

 

未だ謎多き太陽へ…

太陽風の存在を最初に理論化したアメリカの宇宙物理学者ユージーン・ニューマン・パーカー教授の名をつけられたこの探査機は、金星の重力を利用してその軌道を7年かけて太陽に近づける。そしてパーカー・ソーラー・プローブは太陽の表面から僅か約612km離れたところまで接近。太陽大気の外縁であるコロナまで接近、1377度もの温度に晒されるが、ソーラーシールドのおかげで探査機内部は室温程度に保たれる。

太陽の光を放つ表面である光球部分とよりも、太陽大気のコロナ部分の方が温度がはるかに高い。このことは、太陽の大気の温度を上げるための何らかのプロセスが存在することを示唆している。また、太陽風が加速されるその仕組みも未だ謎のままだ。パーカー・ソーラー・プローブが得たデータはこのような太陽や恒星に関する謎の数々を解き明かす役に立つと共に、太陽嵐や宇宙天気予報の精度を上げることにつながり、地球や衛星、宇宙飛行士たちにより安全をもたらすことができる。

 

探査機器の他に論文や名前も搭載

Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Ed Whitman

太陽の謎を解き明かし人類の役に立つために熱い日差しの中に飛び込んでいくパーカー・ソーラー・プローブの中には電磁波や電磁場、ポインティング・フラックス、絶対プラズマ密度や電子温度などを計測する「FIELDS」という機器、太陽大気や太陽圏内部での高エネルギーに加速された電子、陽子、重イオンを観測する「IS・IS」、コロナと太陽県内部の画像を撮影する「WISPR」などが入っている。これらの他にもこの探査機には、今年3月に公募された人々の名前113万7202名分と共にパーカー教授の太陽風に関する1958年の論文が入ったメモリーカードが搭載されている。

パーカー・ソーラー・プローブはNASAのケネディ宇宙センターからデルタ IV ヘビーにより6月31に打ち上げ予定となっている。

【お詫びと訂正】5月25日に掲載しました本記事について、記載に誤りがありましたため、訂正いたしました。ご迷惑をお掛けした読者の皆様、ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。(5月30日, Discovery編集部)

(誤)パーカー・ソーラー・プローブはNASAのケネディ宇宙センターからデルタ IV ヘビーにより6月31に打ち上げ予定となっている。
(正)パーカー・ソーラー・プローブはNASAのケネディ宇宙センターからデルタ IV ヘビーにより7月31日に打ち上げ予定となっている。