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寝だめはやっぱり有効なのか?週末の睡眠時間と死亡率との関連性

睡眠時間が短いと死亡率が上がるとされる。だが、どうやら平日の睡眠時間は短いけど、週末は昼間までゆっくり寝る、という場合は死亡率が常に適度な睡眠時間をとっている人と変わらなくなる。つまり「寝だめ」は有効かもしれないという調査結果が発表された。

 

寝だめの効果

これまで睡眠と死亡率の関連性を探った研究では、睡眠時間が5時間以下の「短い睡眠」の場合も、9時間以上の「長い睡眠」の場合にも死亡率に悪影響を与え、その間の睡眠時間6~7時間が一番死亡率が低いという「U字状」の死亡率グラフができることが知られていた。しかしそのような研究では「週末」は考慮に入れられていなかった。

Journal of Sleep Researchで5月22日に発表された研究では、スウェーデンの4万3880人を対象にし、週末にどれだけ寝るかを考慮して13年の追跡調査を行った。すると、平日も週末も共に睡眠時間が「短い」または「長い」場合は、共に睡眠時間が7時間程度である準拠集団と比較してハザード比が高かったのに対し、平日睡眠時間が短いが、週末長く寝る人の場合はハザード比が準拠集団と変わらないことがわかった。

 

研究を鵜呑みにはしないで

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つまり平日十分な睡眠がとれていない人にとって、週末長く寝ることで総合的に十分な睡眠時間をとるという、いわゆる「寝だめ」が有効なことが見られたわけだ。これは特に若い場合には顕著で、年齢が上がるにつれこの週末の睡眠の影響は薄くなるという。

ただしこの論文の主筆であるトールビョーン・オケルステッド(Torbjörn Åkerstedt)はPopular Scienceに対し、これは自己報告の睡眠時間を元にしている、対照群を設定しない非対照試験であり、実験研究ではないことにも注意を払う必要があるとしている。

このほかにもPopular Scienceでは、韓国の中高生を対象とした週末の寝だめと自殺未遂や自傷との関連を探った研究で、平日の睡眠時間が短く、週末に長く寝る生徒は自殺未遂や自傷の傾向があることが示されているほか、睡眠不足による遺伝子発現の変化が生じるという研究があることが挙げられている。これらは今回の研究には参加していないアメリカのセント・トーマス大学で睡眠を研究する神経科学者ジェニファー・ロクサーヌ・プリチャード(Jennifer Roxanne Prichard)が、週末の寝だめによって解決できない問題もあるとして挙げているものである。

今後週末の寝だめに関してもっと研究が進むことが期待されるが、今のところは常日頃適度な睡眠を心がけた方がよさそうだ。

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