ネッシーの謎に終止符か…ネス湖の水をDNAシークエンシング

西暦565年から存在する伝説のモンスター、ネス湖のネッシー。果たしてその存在は本当か?本当だとしたら一体この生き物はなんなのか?「ネス湖のモンスターの最後の決定的な調査」と銘打った最深の研究では、それをDNAシークエンシングにより確認しようとしている。

 

ネス湖の怪物

ネッシーを一躍有名にしたのは1934年にロンドンの外科医が撮影したネッシーの写真だろう。この写真はデイリーメール紙に掲載され大きな話題を呼んだが、結局潜水艦のオモチャを使った作り物だったことが判明している。

しかしネッシーは1500年近く昔、565年からその話が伝わる。西暦565年8月22日、アイルランドの聖コルンバはネス湖から北海へと流れ出るネス川にてモンスターに遭遇した。彼はこのモンスターを目撃したのみならず、話もしている。聖コルンバはこの怪物に襲われた彼の弟子を助け、十字を切り「これより先に行くな。このものに触れるな。戻るがよい。」などとモンスターに命令している。

その後300年ほどこのモンスターはなりを潜めるが、1930年代にネス湖周辺への道路が開通したのを皮切りに多くの目撃があった。1933年のマッカイ夫妻の「ネス湖の怪物」の目撃、1934年にはアーサー・グラントがバイクを運転中に道を渡るネッシーにぶつかりかけた例もあれば、1959年にはバートラム・ミルズ・サーカスのピエロ、ベッポ・ザ・クラウンがショーでネス湖に飛び込んだ際に水中に光る目を見たと言う話、70年代には水泳をしていた男がネッシーに触ったという話まである。

しかしその存在の証拠とされる物の中には、件のネッシーの写真のように偽造されたものもあることは事実だ。1933年にはカバの足形の傘立てを使って「ネス湖の怪物の足跡」を偽造したケースなどもあったようだ。

だが科学の力を借りれば、ネッシーの存在を確認できるかもしれない…

 

ネス湖のDNA調査

 

「ネス湖のモンスターの最後の決定的な調査」と銘打った今回の研究プロジェクトのリーダーを務めるのはニュージーランド、オタゴ大学のニール・ゲンメル(Neil Gemmell)教授。そのほかにもオーストラリアのキャンベラ大学、コペンハーゲン大学とデンマーク自然歴史博物館、フランスのグルノーブル大学、アメリカからはカリフォルニア大学など、多国籍のチームからなるメンバーが調査研究にあたる。

研究チームは現在知られる最深深度230mのネス湖の3つの深度からサンプルとなる水を300採取する。それらのDNAの破片をとりだし、シークエンシングを行い、これを国際DNAデータベースと照合して、すでに知られている動物のDNAと合致するのか探るのだ。

もしもネッシーが古代の爬虫類の生き残りかなにかであっても、はたまた巨大な魚であっても、まだ科学で説明不能なネス湖特有の現象であったとしても、データベース化されている爬虫類DNA、魚DNA、環境DNAなどと比較すればなにか判るかもしれないというわけだ。

LiveScienceに語るゲンメル教授は、もしなにもネッシーらしきものの痕跡が見つからなかったとしても、人々は「きっとネッシーは隠れてる」、「ネッシーはきっとDNAが無いんだ」、「宇宙から来たからだ」などと理由をつけて今後も信じていくことだろうと語っている。

なおLiveScienceにはデンマークのオーフス大学で遺伝生態進化の准教授のフィリップ・フランシス・トムセン(Philip Francis Thomsen)もこの研究にコメントを寄せている。トムセン自身はこの研究には関わっていないものの、自身も環境DNAを用いて生態系の生物多様性のマッピングを行う研究者だ。トムセンは、もし見つかるとすれば巨大な魚で、ネッシーが絶滅した恐竜の生き残りだというのは「不可能と言うのでないとしたら可能性が非常に低い」だろうとしている。が同じくらいの可能性で「ピンクのユニコーンだって見つかるだろう」とも語り、自身が伝説でしかないネッシーの存在を信じていない一方で、もし本当にそのようなものがいる証拠があれば嬉しい驚きだし、興味があるともしている。

そんな結果は2019年初めに公開される予定だという。