極小ロボットが折り紙を折るようにして作った、世界一小さな家

「世界一小さな家」の記録を塗りかえた極小の家に住んでみたくはないだろうか。

アルプスの別荘地で見られるようなシャレ―風の新築で、光ファイバーの断面に建てられているため陽当り良好。即入居可、庭付きで、暖炉もついているレア物件だ。

ただし家の大きさが髪の毛一本分の太さぐらいしかないため、ノミ、ダニ、アメーバやミドリムシは残念ながら大きすぎてご入居いただけない。クマムシに至っては1万倍も大きすぎて、フンすら家の中に入りきらない。

Credit: Jean-Yves Rauch et al., Journal of Vacuum Science & Technology A

外壁の幅が15マイクロメートル(1メートルの100万分の1)しかないこの家は、フランスのブザンソンにある研究機関、Femto-ST Instituteで最新のナノテクノロジー技術を駆使して建てられた。マイクロロボテックス(MicroRobotex) ステーションと呼ばれる高価な装置を使い、平らな材料を折り紙のように折って立体化したそうだ。

Credit: Jean-Yves Rauch et al., Journal of Vacuum Science & Technology A

LiveScienceによれば、薄いシリカ結晶の膜をイオンビームで切り抜いたあとにミクロなロボットアームが家の形に折り曲げ、ガスの注入により機械的結合させたそうだ。普通の画用紙を使って家を組み立てる作業と変わりはないが、非常に精密度が高く、300平方マイクロメートルの土台にナノ構造物を建設することができる。

Credit: Jean-Yves Rauch et al., Journal of Vacuum Science & Technology A

「スパッタ法」と呼ばれる薄膜を形成する技術を使って、シリカ以外にもシリコン、タンタル酸カリウム、ニオブ酸リチウムなどの素材を加工することが可能。今回の家はただのお披露目で、今後社会で実際役に立つナノ構造物を編み出していく計画だ。

「ダニ一匹も入れないくらい世界一小さな家を造ることで、マイクロロボテックス・ステーションの精密さを実演してみた。これを人間が同じ精密さで再現するのは不可能だ」と研究者たちは論文に書いている。

論文は学術誌『Journal of Vacuum Science & Technology A』に掲載された。