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危険な宇宙ゴミをレーザーで迎え撃て!SFのようなISSの防衛システム構想

危険なスペースデブリからISSを守るため、レーザー防衛システムの開発が進んでいるそうだ。宇宙を漂う危険なごみをレーザーで宇宙の藻屑と化すという、まるでSF映画みたいな話は徐々に現実味を帯びてきている。

 

レーザー防衛システム構想

The Earth Chronicles of Lifeの報道によれば、ISSのレーザー防衛システム構想にフランス、イタリア、日本、ロシアの科学者達が協力することが発表された。これは宇宙脅威専門家評議会(The Expert Group of the Council on Space Threats)会長でロシア科学アカデミー通信会員のボリス・シュストヴ(Boris Shustov)がロシア科学アカデミー宇宙科学評議会の会合で語ったもの。

レーザー防衛システムと言うと飛んでくるミサイルを打ち落とすものが頭に浮かぶが、こちらはミサイル並に危険な「宇宙ごみ」ことスペースデブリを撃ち落とすためのものだ。スペースデブリは1cm以上の大きさのものではISS乗員モジュールのシールドを貫通し、10cm以上のものであれば衛星や宇宙船を粉々にする可能性があるとされ、NASAが現在トラッキングしているものだけで、1万7000以上の拳ほどの大きさのものが存在する。

現在のところISSがスペースデブリから守るために行っているのは、スペースデブリを避けるための回避行動くらいなもので、年に数回ほど行われるとされるが、レーザー防衛システムがあればわざわざ回避しなくとも撃ち落とすことができるというわけだ。

 

5%の出力で放て!

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このスペースデブリの脅威に対するレーザー防衛システムは、理化学研究所の戎崎俊一主任研究員らが2015年に発表したアイディアを元にしたもの。当初のプロジェクトでは1万本の光ファイバーチャンネルからエネルギーを集中させるものとしていた。現在の案では1万本のファイバーを100本の「細いロッド」で置き換え、同じ出力を出すという案が提案されている。それでも、フル出力でレーザーを放つためにはISSの電力を100%使用しなくてはならない。

だがもちろんレーザーを放つ度にISSの機能が全停止していたらスペースデブリがぶつかる前に大変なことになってしまう。そのため現在専門家たちは使用可能電力の5%のみを使うレーザーの研究に取り組んでいる。この5%の制限がある状態でも、リチャージ時間200秒で10kmの範囲で10秒間レーザーを放つことができるのだ。なおシステムの大きさは1~2立方メートルで重さは500kgとなるとされる。

なおスペースデブリにレーザーを照射すると、スペースデブリは蒸発して鉄粒子の雲へと変わるという。この鉄粒子サイズであればISSの脅威にならないとのことだ。

レーザー以外のスペースデブリ対策としてはネットやハープーンでスペースデブリを捕らえる「宇宙掃除機」こと「RemoveDebris」のテスト機が4月2日に打ち上げられている。

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