Credit : RyanMcGuire / Pixabay

脳を鍛えたければ音楽や他言語を学べ?効率的だったミュージシャンとバイリンガルの脳

楽器を習うのも、外国語を勉強するのも、脳を効率化させる良いトレーニングになるそうだ。しかも何歳から始めても効果があるらしい。

カナダのトロント大学附属ベイクレスト・ロットマン研究センターが発表したところによれば、同じ知的タスクを与えられても、ミュージシャンとバイリンガルの人はより少ない脳の処理能力でこなすそうだ。音楽の教養がなく単一言語を話す人と比べ、ミュージシャンとバイリンガルの人は同じ問題を解くのに違う脳の神経回路を使い、少ない脳活動で答えを導き出した。

なにもプロのミュージシャンに限ったことではなく、音楽の教養を積んだ人全般にあてはまるようだ。そして嬉しいことに、ZME Scienceによれば、今回の研究では年齢の影響は確認されなかったため、何歳からトレーニングを始めても脳を鍛えられるらしい。

「研究の結果、ミュージシャンとバイリンガルの人は同じ作業を少ない労力でこなせることがわかった。この脳の効率化には高齢に伴う認知力低下の防止や、認知症を遅らせる働きがあるかもしれない」と研究の第一人者、クロード・アラン教授は説明している。

さらに「今回の研究結果は、楽器を習ったり他言語を学んだりする人生経験が、いかに我々の脳の神経回路を形成し、脳の機能を形作っているかを物語っている」とも話しているのが非常に興味深い。

たとえ瓜二つの脳を持っている人が二人いたとしても、それぞれ違う人生経験を積んでいくうえで脳内ネットワークの発達の度合いや方向性が異なり、脳のはたらき方に作用することを示唆している。音楽の教養と多言語の取得はその一例。他にも脳のはたらきを効率化する経験はあるのかもしれない。

Credit: rahu / Pixabay

実験には19歳から35歳までの大人41人が参加し、三つのうちいずれかのグループに配属された――①英語のみを話し、音楽の教養を持たない人(統制グループ)、②英語のみを話すミュージシャン、③音楽の教養を持たないバイリンガル。参加者がそれぞれワーキングメモリーを使ったタスクをこなしている間、fMRIで脳の観測を行った。

ワーキングメモリーとは、頭の中でメモをとっているように、例えば電話番号を覚えて書き留めたり、暗算をするときに使う短期記憶の一種だ。タスクは二種あり、どちらも音に関したものだった。

楽器の音色、環境音、人の声などを聞いて、以前聞いた音と同じ種類か判断するタスクにおいては、予想された通りミュージシャンの反応が一番早かったそうだ。バイリンガルの人は①の統制グループと同じぐらいの成績だったが、タスクをこなす際に使った脳活動が比較的少なかった。

一方、聞いた音が以前聞いた音と同じ方角から来ているか判断するタスクにおいては、ミュージシャンとバイリンガルの人両方が好成績を修めたそうだ。

Credit: Picsues / Pixabay

この研究はニューヨーク科学アカデミー紀要に発表された。今後、アラン教授は大人の脳が芸術活動と音楽習得を経てどのような変化があるか調べていくそうだ。

RELATED POST