緑の血という自然選択…ニューギニアの奇妙なトカゲたち

ニューギニアに住むトカゲの中には、緑色の血を持つトカゲが存在する。この緑色は人間の場合、病気などで黄疸をつくる原因となる物質と同じだが、最新の研究ではトカゲの緑の血は身を守るために有用な進化である可能性が示唆されている。

 

ビリベルジン

緑の血を持つトカゲの中には、血以外にも肌の色、筋肉、舌、さらには骨まで緑色をしているものもおり、世界でもソロモン諸島近辺にしか見られない。その色を作るのは、ビリベルジンと呼ばれる色素。これが高濃度なために緑色となるのだ。血中には赤い血球だってあるのだが、それが陰ってしまうほどに緑色素が多いのだ。

人間の場合、このビリベルジンが血中に多いと黄疸ができ、その原因としては肝炎など肝臓関連の問題などがある。そしてこのようなトカゲが持つ程のビリベルジンは、人間の致死量40回分もの毒性となる。だが緑のトカゲたちは別に肝臓の調子が悪くて緑色をしているわけではない。

この緑の血を持つトカゲたちがなぜこのように進化したのかについてはこれまで判明していなかった。

 

緑の血という自然選択

Credit: Zachary B. Rodriguez, et al. Science Advances 2018, DOI: 10.1126/sciadv.aao5017

科学者達はニューギニアの52種類のトカゲからDNAサンプルを採取した。このうち緑の血を持ったトカゲは6種。これらから科学者達はトカゲ科の系統樹をつくり上げた。そうすると、それぞれ赤い血を持つトカゲから別々に進化してきた少なくとも4つの系統の緑血トカゲがいることが示された。

つまり緑の血を持つことは、ただの進化上の偶然起きたことではなく、進化の上で有用な自然選択の結果ではないかと考えられるのだ。すでに過剰なビリベルジンは抗酸化および細胞保護の特性を持つことがラボ実験で確認されていることなどから、この緑の血はトカゲにとって酸化ストレス防御、交換可による神経保護や抗突然変異性などの役割を果たしている可能性が示唆されている。

研究主筆のザッカリー・B・ロドリゲス(Zachary B. Rodriguez)はインデペンデント紙に対し、次の目標は緑の血に関連する遺伝子を見いだすことだとしている。この研究は5月16日のScience Advancesに発表されている。