世界をまっぷたつに分断した聴覚トリック!この音声は「ローレル(laurel)」に聞こえる、それとも「ヤニ―(yanny)」?

5月15日にツイートされて以来、バイラル化して世界中を駆け巡っているこの聴覚トリック。時間がある時に、ぜひ職場の仲間や友人を誘って一緒に耳を傾けてみてほしい。

はたしてあなたにはどちらに聞こえただろうか?ちょっと低めの声で「ローレル(laurel)」?それとも甲高い声で「ヤニ―(yanny)」?

ユーチューブ、ツイッターなどでインフルエンサーとして活躍するクロエ・フェルドマンさんが、米ソーシャルニュースサイトRedditから拾ってきた音声を自身のツイッターに投稿したところ、瞬く間に1,650万回以上再生されるヒットとなった。

一般人から著名人まで、ネットではヤニ―派とローレル派が激しく議論を交わしているが、なかには途中で聞こえ方が変わってしまって気持ち悪い!と報告する人や、どちらの声も同時にうっすらと聞こえる強者までいるらしい。

ちなみに、16日時点ではヤニ―派が47%に対してローレル派が53%だとAsapSCIENCEが報告している。意見がほぼまっぷたつに分かれており、このどっちつかずのモヤモヤ感がバズっている理由のようだ。

モヤモヤ感といえば、2015年にバズった「このドレス、何色?」論争も記憶に新しい。

絶対に白/ゴールド色!という人は全体の69%を占めたのに対し、青/黒だと反論する人は31%。あなたはどちらに見えただろうか。

このドレス、実際は青/黒だった。すでに販売終了しているものの、ドレスを販売したイギリスの通販サイトでは「インターネットをお騒がせしたドレス」として白/ゴールドの特別バージョンも作り、オークションに寄贈している。

Credit: Roman Originals via screenshot

なぜある人には白に見え、別の人には青しか見えないのか。このモヤモヤ感を解明するべく、多くの科学者が見識を述べている。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の神経科学科に所属するエレン・カーペンター学部長は、BuzzfeedBlueの取材に対して「知覚は脳の思い込みに影響される」と説明している。五感を通じて入ってくる情報だけでは、現実世界を完全に知覚することはできない。そこで、我々の脳は常に情報の穴埋めをしているという。いままでの経験から情報を補い、「こうであるはずだ」という独自の解釈のもとに世界を脳内で再構築しているのだ。

この解釈や経験値の差が、ものの見方にも違いを及ぼす。このドレスの例をとってみれば、光のあたり方、深度、影、ドレスが置かれた環境など様々な要素をもとに脳が解釈を試みた結果、青か白か判断を下している。
「人の現実の捉え方はそれぞれ違う」とカーペンター教授は話す。「あなたが見ているものは、必ずしもあなたのお隣さんが見ているものとは同じではない。」

冒頭の「ヤニ―」と「ローレル」に話を戻そう。こちらについても諸説あり、AsapSCIENCEによれば人の聴力は年齢とともに高い音域を聞く力が衰えるため、より若い年齢層が甲高い「ヤニ―」を聞き分けられると説明している。

シカゴ大学のハワード・ナスバウム教授は、人の耳と外耳道のかたちによってどのような音が伝達されるかが変わってくるとGizmodoに語っている。これに加えて、音響の設定を変えることで聞こえる音も違ってくるため、例えばお手持ちのパソコンのサウンド設定を変えてイコライザを高めにすると、より「ローレル」が聞こえやすくなる。

「ヤニ―」と「ローレル」の音声波形を分析したアリゾナ大学のブラッド・ストーリー教授によれば、ふたつの音声の波形はとてもよく似ており、頂点がちょうど重なり合っているので聞き分けにくいという。自身が録音した「ヤニ―」と「ローレル」の波形とも照らし合わせた結果、ストーリー教授の軍配は「ローレル」に上がった。

この音声は基本的に「ローレル」と発音しているが、さらに高音域の雑音をちりばめてあるために同時に「ヤニ―」とも聞こえてしまうのではないかと分析している。