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茹でると赤くなるカニやエビ、フラミンゴの色との意外な関係

何故カニやエビの殻は茹でると赤く変わるのか?そしてなぜフラミンゴの色は赤いのか?そんな、一件関連性の無さそうなふたつの素朴な疑問の回答には、実は共通点があった。フリンダース大学の生物科学博士、ジャン・チン(Jian Qin)がThe Conversationで回答している。

 

アスタキサンチンの赤

カニやエビなどの甲殻類は外骨格と呼ばれる堅い殻を持つ。それら外骨格の元々の色は周りの景色に溶け込むために目立たない茶色や灰色をしている。

そんな甲殻類の殻の色を作る色素の中にはアスタキサンチンと呼ばれるオレンジ色の色素も含まれる。この色素が動物に見られる黄色やオレンジ、赤などの色を作っている。例えばわかりやすいところで言えばサケやイクラ、フラミンゴなどもそれにあたる。

だが、もし甲殻類の殻にアスタキサンチンが含まれているのであれば、もともと赤い色であるはずではないか?

 

クラスタシアニンの青

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実は甲殻類の殻に含まれるアスタキサンチンは、クラスタシアニンと呼ばれるタンパク質と結合して包まれているのだ。このクラスタシアニンは色素でもあり、例えばクラスタシアニンが過剰に生み出されたロブスターは真っ青な色となる。通常カニやエビの殻が青っぽい灰色になっているのはこのクラスタシアニンによるものだ。

 

アスタキサンチンで赤い動物たち

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では茹でて赤くなるのは何故かというと、これはクラスタシアニンのプロテインが熱により破壊されアスタキサンチンが解放されて殻を赤く染めるため。

実はフラミンゴがピンク色をしているのも、フラミンゴがエビを食べるためだとチン博士はしている。フラミンゴはエビを茹でて食べるわけではないが、クラスタシアニンは酸や脂肪で溶けるため、この場合は消化の過程でクラスタシアニンが溶けて解放されたアスタキサンチンが羽に色を付けるのだ。

また、ヘマトコッカス藻などの魚の餌となる藻にも含まれる。ベニザケの身が赤いのもこれらの藻やオキアミなどの甲殻類を食べるためだとされる。

なお、甲殻類の殻は一度茹でてクラスタシアニンのプロテインが壊れると赤くなると冷めても戻らないが、「お湯を入れると色が変わり、冷めると色が元に戻るコップ」などはこれとは違う原理で色を変える。名古屋市科学館によれば、温度が戻れば色も変わるこのような仕組みは「サーモクロミズム」と呼ばれ、中の成分が破壊されて色が変わるのではなく、違う温度で別々の成分が結合するようになっているため、何度も色を変えることができる。

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