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骨のすごい秘密、ナノレベルの研究で判明…複雑なフラクタル状構造

骨の構造をナノスケールで見るとフラクタル状の階層的な組織体によって作られていることが判明した。この複雑な構造が人の骨を堅く柔軟にしているのだ。

 

階層的な組織体

骨の構造は、リン酸カルシウムという堅いミネラルの小さな結晶が、柔軟性のあるコラーゲンの螺旋構造を取り巻くという、「階層的な組織体」を形成することで形作られていることはこれまでに判明していた。

5月4日にサイエンスに発表されたヨーク大学とインペリアル・カレッジ・ロンドンによる研究では、これをより小さなレベルで見た際にも同様に階層的な組織体が見られるかどうかが調べられている。研究では、3次元電子線トモグラフィーと、電子顕微鏡による2次元で人骨の構造を観察。すると、ナノスケールでミネラルとコラーゲンが織りなす構造は12段階の複雑さを持ったフラクタル状の構造を持つことが判明した。

 

フラクタル状構造

Credit: N. Reznikov et al., 2018, Science.

針状の結晶はプロペラ状のプレートレットを形作り、それが互いに2ナノメートル程度の間を開けて積み重なりほぼ平行なプレートレットを組織をつくる。このプレートレットが積み重なったものに、別の一つのプレートレットと一つの針状結晶が合体することで、多結晶集合体を造り上げる。この状態ではコラーゲンの小線維よりも太く、隣接した小線維をも巻き込んだ連続したミネラル化(mineralization, 鉱化、石灰化などとも)構造となっている。

このような階層的な構造により、骨は強い剛性と強靱性という、一見矛盾した特性を併せ持つことができるのだ。

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