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ツタンカーメンの墓の隠し部屋「存在せず」、エジプト考古省が発表

エジプトの王家の谷から残念な知らせが届いた。

BBCによれば、ツタンカーメンの墓の奥に「90%の確率で」存在すると信じられてきた隠し部屋は幻だったそうだ。高精度のレーダーで調査を行ったイタリアチームの結果を踏まえ、エジプト考古省が発表した。

ハワード・カーターが1922年に発見したツタンカーメンの墓はおそらくエジプトで一番よく知られているだろう。墓に残されていた手つかずの5,000点以上の財宝の中には、あの有名な黄金のデスマスクも含まれていた。

誰しも想像力をかきたてられるツタンカーメンの圧倒的な財力と、一方でその財力を持っても免れることのできなかった悲運。代々続いた近親相姦が災いして多くの遺伝的疾患に苦しめられ、彼と彼の実の妹であった妻との間には嫡子を授かることのないまま、19歳でこの世を去った。

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ツタンカーメンの母親についても謎が多く、特定できていないばかりか墓さえ見つかっていない。イギリスの考古学者、ニコラス・リーブズは2015年に発表したセンセーショナルな研究論文で、ツタンカーメンの母親があのエジプト随一の美貌を誇るネフェルティティであるという新論をうち立てた。

さらに、ツタンカーメンの墓はその小さな規模からしてもともと母君であるネフェルティティのために作られたものであり、ネフェルティティの棺がツタンカーメンの墓のさらに奥の隠された部屋に安置されているのではないかとも推察したのだ。

その根拠は、レーダースキャンによって奥の壁にうっすらと映し出された戸口の影だった。

今回追加の調査を行ったトリノ大学のフランチェスコ・ポルチェッリ教授率いる研究者チームは、レーダースキャンの精度を上げるために同じ壁を三回も調べて、それぞれの結果を照合した。そして残念ながら、ツタンカーメンの墓の奥に隠された部屋はないと断定するに至った。

これでネフェルティティの墓のありかはふりだしに戻ったわけだ。現在も王家の谷の西側では大規模な発掘調査が続けられており、米ディスカバリーチャンネルが独占取材中だ。今年放映予定のドキュメンタリーで、なにか新たな大発見が発表されるかもしれない。

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