マレーシア航空370便の捜索で発見された2隻の沈没船、19世紀に行方不明となったものと判明

2014年に消息を絶ったマレーシア航空370便の捜索では、残念ながら目的の航空機は見つかることはなかった。しかしその課程でインド洋ではソナーにより沈没船が4隻発見された。西オーストラリア州立博物館の発表によれば、そのうち2015年に見つかった2隻は19世紀の沈没船であることが判明した。

 

木造船

海底3900mのところで発見された船は、一部に鉄の補助剤が使われている木造船で、鉄材からは19世紀のものと判明した。残念ながら木造部分はほとんど朽ちていたが、甲板梁と船体を接続する鉄金具やアンカー、そして石炭のカーゴなどは残っていた。

アンカーや航路などから推測されるこの船の正体は、1800年代に行方不明となった木造で鉄の補助剤を使用する286トンの「W. Gordon」か、同規模の船である「Magdala」であると推測される。

「W. Gordon」はブリッグという種類の帆船で、1876年に10人の船員を乗せてイギリスのグラスゴーからオーストラリアのアデレードへと旅に出て、最後にケープタウンで確認されて以降行方知らずとなっている。
「Magdala」の方はバークという種類の帆船で、1882年にイギリスのウェールズからインドネシアモルッカ諸島のテルナテ島に向けて石炭を積み旅だち行方不明となった。

 

鉄造船

海底3700mのところで発見された鉄製の船は、1860年代から1890年代に製造された1000~1500トンクラスの鉄船の特徴を備えており、全長67~68mで積み荷として石炭を積んでいた。石炭のサンプルを調査したところイギリスからのものである可能性が高いことが判明している。

1878年から1886年までに石炭を積み荷として南インド洋で行方不明になったとされる船は10隻あるが、中でも1883年にイギリス、リバプールからインドのムンバイまでの航路で行方不明となった1405トンのバーク船「West Ridge」は全長67.12mと記録されており、沈没船の全長とも非常に近いことからこれではないかとされる。West Ridgeの船員はイギリス人、スコットランド人、ノルウェー人、スウェーデン人、カナダ人、アイルランド人の多国籍な28人であった。

しかしこれは同じく1894年に行方が不明となった「Kooringa」や、1897年に消息不明となった「Lake Ontario」である可能性もある。

 

時を超えた発見

Credit: Western Australian Museum via Facebook

これらの推測はあくまでも不完全な船の記録を元に照らし合わせたものであることに注意が必要だが、いずれにせよ19世紀ごろの沈没船であることは間違いなさそうだ。なおこれ以外に発見された2隻の沈没船は20世紀後期のトロール船である事も判明している。

肝心のマレーシア航空370便の捜索は大きな成果を上げることなく2017年1月17日に打ち切られている。

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