目からレーザービーム!将来は生体認証やセキュリティー機能に活躍するウェアラブル半導体レーザー

スーパーヒーローみたいに目からレーザービームを放つ、そんなスゴ技が近いうち現実になるかもしれない。もっとも、あたりを焼きつくすほどの破壊力は期待できないみたいだが。

スコットランドのセント・アンドリューズ大学の研究チームが薄くて軽く、自在に折れ曲がる性質を持った分布帰還型有機半導体レーザー(distributed feedback organic semiconductor laser)の開発に成功したそうだ。

わずか200ナノメートルという世界初の薄さは、回路基板を必要としない画期的な構造により実現した。薄い膜のようにどんな表面にも自在に貼りつけることができるので、これまでになかったデータ通信機器やウェアラブルセンサーの開発に役立つと期待されている。

University of St Andrews Communications Office

例えば有機半導体レーザーをコンタクトレンズと合体させたらどうだろう。虹彩認識と併用すれば、非常に高度な生体認証技術になりうるという。研究に携わったセント・アンドリューズ大学のマーカス・カール博士研究員によれば、レーザーの材質や回折格子の設計を変えることで特定の波長の光を増幅できる。このような有機半導体レーザーから発せられるレーザー光線を平坦な背景に当てれば、増幅された光を1、されなかった光を0とみなしてデジタルなバーコードが成立し、個人認証に使えるという。まるでSF映画さながらだ。

セント・アンドリューズ大学の実験では、実際牛の目に半導体レーザーを張りつけたコンタクトレンズを装着してパルス状の青い光を当て、レーザーから緑色の光が発せられたのを確認している。なお、実験で使われたレーザー光線は閾値が低いため、目には悪影響を及ぼさないそうだ。

University of St Andrews Communications Office

応用は多岐に渡る。もうひとつ実験で使われたのは紙幣だ。紙のお金に超極薄有機半導体レーザーを埋め込めば、眼球と同じ原理でセキュリティーコードとして使えることが実証された。そのほか、爪にとりつけたり、衣服に取り入れたりと様々なかたちでオプトエレクトロニクス(光電子工学器機)を実現できそうだ。

実用化にはまだほど遠いが、未来にまた一歩近づいた。