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北極と南極の地磁気が逆転する現象、しばらくは起きない?…過去との比較研究で

これまでいつ起こるか判らないとされていた「ポールシフト」こと地磁気の逆転は、もうしばらくの間は起きそうになさそう…という研究が発表された。しかしその憶測には疑問の声も上がっている。

 

地磁気逆転

地球の地磁気は、地球のマントル内部にある外核の液体鉄の対流により作られるとされる。こうしてできた地磁気は、有害な宇宙放射線や太陽フレアによる磁気嵐から地表を守る役割を果たしている。また、地磁気は地球を回る衛星などを太陽風から守る役目も果たしている。

しかし、地球の極が入れ替わる地磁気逆転が発生すると、極が変わる期間は地磁気が10%ほど弱まり、運が悪ければ磁気嵐により地上の電力系統に影響が出たり、そのために電気が使えなくなることもあるだろう。衛星に頼る通信や、GPSも使えなくなるかもしれない。

極の変わる期間は地質学的なタイムスケールで言えば「僅か」な5000から1万5000年ほどだとロチェスター大学の地球物理学教授ジョン・タルドゥノ(John Tarduno)はPopular Scienceに語っている。
現在の地球の極は78万年前から変わっていない。しかし地磁気の強さはここ数百年の間にとても弱くなってきていることもあり、現在地球は地磁気逆転の初期段階にあり、いつ極の逆転が起きてもおかしくないとされていた。

 

結局いつ起こるのか…

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PNASに4月30日に発表された研究では、過去の地磁気の状態と現在の地磁気の状態を比較している。それによれば現在の地磁気の状況に似た状況は4万9000年前と4万6000年前にも発生しているものの、それに続いて急激な地磁気の変動は起きていないことが判明した。

なお、4万1000年前と3万4000年前には地磁気の「逸脱」(excursions)という急激な変化が発生しているが、それらは数千年後には収まっている。それでも、近いうちに地磁気逆転が起きることはないだろうとされている。

ただその一方でこの研究は、単に過去との比較から導き出した憶測であるのもまた事実。Popular Scienceではリーズ大学の地球物理学者フィル・リヴァーモア(Phil Livermore)が単純な過去との比較でしかなく、現在の地磁気の弱まりが収まることを示す新たな証拠は何も無いとしている。

とは言え、もしも地磁気の変動が起きたとしても、世界が終わるような恐ろしい破滅が起きるわけではない。電気やGPSは使えなくなるかもしれないが、そこまで恐れることも無いだろう。

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