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数多くの未発見生物がいるとされる豪と新、分類学と体型学の10年計画発表

多様性豊かな地域で、生物たちが失われる前に記録したい。オーストラリア科学アカデミーが、同国とニュージーランドにおける分類学と体系学の10年計画を発表した。

 

分類学の重要性

オーストラリアとニュージーランド、そしてその周辺の海域には、60万もの動植物、菌類、微生物などの生き物たちが存在すると推測されている。しかし、その中で現在までに発見され、命名され、記録された生き物たちは僅かに30%にしか満たない。40万以上のオーストラリアの生き物が、未だ人知れず存在しているのだ。いや、その言い方は正しくないかもしれない。もしかしたらそれら「未発見」の生物の多くは人々の暮らしの中に身近に存在しているかもしれない。

だが、それが分類されているといないとでは大きな違いがある。今回の発表の中で、自然番組のホストであり博物学者のサー・デイビッド・アッテンボローが「生物学も、保護も、生態学も、そして自然ドキュメンタリーも分類学や体系学に頼っている」とその重要さを伝える序文を寄せている。

それがどのような生物であるのか知るにも重要だし、その生物が益になる場合であれ害になる場合であれ、それを知り、他と識別する事で初めてそれに対する対応を考えることができる。自然生物保護のためにも、保護のためにその生物の生きる環境を探るにも、そして太古に生きていた生物と現在存在する背物との関連を探る上でも分類学は重要。生物を知ることは、私たちの食、健康、環境、工業、科学、社会にも関わってくる。自然世界を理解するのに分類学は重要なシステムなのだ。

 

10年計画

なぜそこまで分類学や体系学の重要性が語られているのか。それは、その生物多様性が様々な要因により脅かされているからだ。多様性豊かなオーストラリア、ニュージーランド地域で、消えゆく生物たちを手遅れになる前に記録したい、というのがその理由だ。しかし、従来の方法では全ての生物を記録するのにこの先400年以上もかかってしまう。

そこで発表されたのが今回の分類学と体系学の10年計画なのだ。計画ではこの先の10年でこれまでの倍の数の生物を発見記録し、「オーストララシア・モデル」として世界に知らしめたいとしている。また、ただ生物の発見を増やすだけでなく、分類された生物の情報をより皆に使いやすくする事も目標として掲げられている。そのためには生物分類に関する教育も重要だし、より誰もが使いやすいデータベースも必要だ。計画書では2028年には、ARを用いて生物の識別を容易にしたり、撮影した写真からディープラーニングAIが種を識別したり、スマートフォンに外付けの機械を付けてDNA解析をしたり、と言ったことが高校のクラスで可能になったりする未来が描かれている。

最新技術を活用し、人々を教育し、発見を活用することも容易にすることで、生物の発見を様々な分野で活用する未来を描いたオーストラリア科学アカデミー。10年後どうなっているのか楽しみだ。

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