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凄い回復性能を持つウーパールーパー、人間の脊椎損傷治療の鍵に

ウーパールーパーの通称で知られるメキシコサンショウウオは脊椎の損傷から回復する事ができる。その仕組みを調べることで、人間の脊椎損傷回復の鍵が判明した。

 

メキシコサンショウウオの凄い回復性能

メキシコサンショウウオは手足を無くしても数週間もあれば生えてくるし、脊髄に損傷を負っても治る。肺だって治れば、脳の一部の傷だって傷跡を残すことなく回復してしまう生き物だ。

メキシコサンショウウオが脊髄に損傷を負うと、その付近のグリア細胞と呼ばれる細胞が急速に増殖し、傷ついた脊椎の神経接続を再構築する。しかし人間を含む哺乳類の場合、傷ついたグリア細胞が瘢痕(はんこん)組織を形成、神経繊維の再形成を阻害するため、脊椎は元には戻らない。

だがこれに関わる分子メカニズムはこれまで詳しく知られていなかった。FASEB Journalに4月13日に発表された研究では、この原因が探られている。

 

脊椎損傷を治す薬?

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これまでの研究で、メキシコサンショウウオにも人間にも「c-Fos」と呼ばれるタンパク質が存在し、これが傷を再生するグリア細胞の機能に関わることが判明していた。今回の研究では、人間の場合c-Fosの働きが「Junタンパク質」により制限されていることが判ったのだ。このJunタンパク質は瘢痕組織の形成を引き起こすタンパク質でもある。

テレグラフによればイギリスだけで脊椎損傷者の数は4万人いるという。脊椎は脳と体の部位との信号のやりとりに必要な神経が束になって存在している部分で、損傷すればその部位より下の体や内臓の感覚が無くなったり動かすことができなくなったりする重要な部位だ。

研究者たちは将来、このJunタンパク質の機能をオフにする薬を作ることで、グリア細胞が脊髄を再生することができないかと期待していると同時に、傷跡を残すことなく傷を癒やす方法も模索するという。

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