Credit : Hood Museum of Art, Dartmouth College

人骨のダガーとヒクイドリのダガー、どっちが強い?ニューギニアの戦士たちが使った武器

ニューギニアの戦士たちの使うダガーには2種類存在した。人の太ももの骨で作ったものと、世界でも最も危険な鳥種のひとつとされるヒクイドリ属の骨で作ったものだ。最新の研究では、どちらのダガーの方が強いのかが研究され、人の骨の方が強度が高いことが判明した。

 

ダガー

研究に用いられたダガーはアメリカダートマス大学フッド美術館に存在するもの。それぞれ30cmほどの長さで、細かな模様が施されている。

これらのナイフは接近戦に用いられ、単純に敵を殺すための武器として使われたほか、弓矢やりなどで怪我を負った敵の首に刺すことでとどめをさすために用いられた。また1800年代後半から1900年代中頃にやってきた宣教師たちの残した記録によれば、これらのダガーは、食人のために囚人を切断するにも用いられたとされてきたが、この点に置いては大げさな記述や文化的な習慣を誤解して書かれた可能性があるそうだ。

 

人骨とヒクイドリの骨

特に人の骨で作られたダガーは特別な意味を持つようで、誰の骨でも良かったわけではなく、自分の父親や、コミュニティー内で尊敬されていた重要な人物のものである必要があったそうだ。そうして作られたダガーには元となった人の力が宿るとされ、それを振るう者はダガーとなった人の持っていた権利や力を宣言することができたという。

では果実を食べる鳥ヒクイドリ属の脚の骨でできたダガーの方はもっと簡単に手に入るものかと言えば、そうでも無さそうだ。ヒクイドリの爪そのものもまたダガーのような鋭さを持ち、12cmもの長さがあり、その蹴りは獲物を切り裂く恐ろしい鳥でもある。空は飛べないが1.5m近く飛び上がる事はでき、時速50kmで走り、泳ぎも上手いそうだ。

 

Credit: Bruno Zanzottera, reproduced with permission

強いのはどっちだ

研究者は人の骨で作られたダガーとヒクイドリでできたダガー、どちらの方が強いのかを調べるため、CTスキャンを行っている。そうすることで骨密度などから強度が判明するのだ。加えて研究者たちは現在も作られているヒクイドリのダガーを購入し、曲げ試験を行い、どれだけの力で折れるかを検証したところ、約20kg(約200ニュートン)まで耐えることができた。

研究では人間の骨でできたものの方がヒクイドリでできたダガーよりも2倍程度強いだろうと結論付けている。なお、強度の違いは骨密度だけで生じているわけではなく、ヒクイドリ属の鳥の脚の骨を使って作られた方は、より平らに、カーブが少なくなるように削られていることも関係しているようだ。

RELATED POST