ハワイ島の海にアザラシがナイフを持ってやってきた?

海に捨てられたゴミは潮の流れに沿ってどこにに行きつくかわからないので、ポイ捨ては絶対にダメ!とハワイ州天然自然局(Hawaii Department of Land and Natural Resources)が懸命に呼びかけている。

呼びかけの発端となった事件は4月15日に起きた。ハワイ島の海岸で、ハワイモンクアザラシの子どもがナイフを口にくわえて遊んでいるのが発見されたのだ。動物愛護団体のメンバーがヒヤヒヤしながら見守る中、まだあどけない表情のアザラシの子はオレンジ色の柄のナイフを何度もくわえ直しては水から出たり入ったりを繰り返し、水中で遊んでいるようなそぶりを見せていた。途中であやうくナイフを飲み込みそうになるも、なんとか無傷のまま難を逃れた。

その一部始終をハワイ州天然自然局のスタッフが映像に収めていたので、ご覧になっていただきたい。ナイフがなければふつうの可愛いアザラシの映像なのだが……。

母親から乳離れして間もないこのアザラシを、カイルア・コナ海洋哺乳類センターとハワイ州天然資源局のスタッフが継続的な観察を行っていた最中の出来事だったという。アザラシの子どもは最終的にナイフを水の中に落としたため、ナイフはその後無事回収されたそうだ。

ビデオを撮影したハワイ天然資源局のスタッフは、アザラシがナイフを飲み込んでしまわないか気が気でなかったそうだ。「ゴミはちゃんと責任を持って処分すること、そしてハワイ島のビーチや海に捨てていかないことを、よくよくみんなで再確認する必要がある」と語っている。

このニュースを全米に報じたFox Newsによれば、今回こそは無傷で済んだものの、ハワイ州天然資源局のもとにはこれまでもゴミを誤って飲み込んでしまったために開腹手術を必要としたアザラシやアシカが数頭いたと紹介している。主に使い終わった漁網、カニ用の罠などの釣り道具が誤飲されるケースが多いそうだ。

いったん体の中に入ってしまうと、これらのモノは分解せずにずっと動物の体内で痛みを与え続けるという。「動物の成長に伴い、より深く体の中に切り込んで痛みを増幅させてしまう」とハワイ州天然資源局の関係者は話している。

Credit: MarkSullivan / Wikimedia Commons

ゴミのポイ捨ては絶対にダメ。さらに、ハワイモンクアザラシの子どもはなるべく野生に慣らすために人間との関わりをなるべく断つことが推奨されているため、もしハワイでモンクアザラシを見かけたらむやみに近づかず、目撃したことをハワイ州天然資源局に報告してほしいとも呼びかけている。

国際自然保護連合(IUCN)によれば、ハワイモンクアザラシは絶滅危惧IB類に定められており、絶滅の危険性が非常に高いそうだ。