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『不思議の国のアリス』でモチーフになったドードー、実は射殺されていた可能性

絶滅した鳥類ドードー。その貴重な標本から頭蓋骨の3Dモデルを作ろうとスキャンしたところ、中から思ってもみなかったものが発見された。散弾銃のものと思われる鉛玉である。

 

オックスフォード・ドードーの数奇な運命

Credit: Warwick Newsroom via YouTube

「オックスフォード・ドードー」として知られるドードーの標本は、未だに柔らかい組織やDNAの残っている唯一の標本でとても貴重なものだ。今までこの標本は、生息していたモーリシャス島からロンドンまで生きたまま連れてこられたとされていた。

テレグラフによれば、1638年にイギリスの国会議員サー・ハモン・レストランジ(Sir Hamon L’Estrange)がロンドンのリンカーンズ・イン・フィールズで生きたドードーを見ており、ナツメグほどもある大きさの石を消化のために食べていたとする記録を記している。その後このドードーは自然死したとされ、チャールズ2世の庭師の手に渡った。続いてオックスフォードのアシュモレアン博物館を創設したエリアス・アシュモール(Elias Ashmole)の手に渡ってアシュモレアン博物館で展示され、1860年になるとオックスフォード大学自然史博物館に移動された。

このオックスフォード・ドードーは、物語『不思議の国のアリス』の作者にインスピレーションを与えたことでも知られる。『不思議の国のアリス』にはドードーが登場するが、作者のルイス・キャロルことチャールズ・ドジソンは本の主人公のモデルともなったアリス・リデルと共にオックスフォード大学自然史博物館を何度も訪れている。

 

頭の中の鉛玉

内部の鉛玉- Credit: Warwick Newsroom via YouTube

ウォーリック大学は、そんなオックスフォード・ドードーの頭蓋骨をスキャンすることで3Dモデルを作成し、その進化の過程や食事の様子などを研究しようとした。しかし頭蓋骨をスキャンするとその中には多くのミリメートル大の鉛玉が発見された。つまりこのドードーは頭を撃たれたということなのだ。

このような鉛玉は17世紀に水鳥を狩るために使われたものだが、モーリシャス島で撃たれてロンドンまで連れてこられたのか、それともロンドンに生きたまま連れてこられて何故か撃たれたのか、それは今も謎のままだ。

1598年にオランダ人らにより発見されたドードーは、1662年には絶滅したとされる。当初は人間の乱獲による絶滅だとされていたが、後に船によって連れてこられた犬やネズミにより卵が食べられてしまったことで絶滅したというのが通説となっていた。しかしどうやら人により狩られていたのもまた事実だったようだ。

ウォーリック大学の研究チームは今後法医学分析の手法により、鉛玉の産地を探ることでオックスフォード・ドードーがどこで撃たれたのかを探ると共に、分子学解析によりドードーの遺伝子を復元したいという。

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