Credit : Sam / Olai Ose / Skjaervoy from Zhangjiagang, China, CC 2.0

中国の化石ブームに悩む古生物学者たち

中国は今、化石ブームに沸いているようだ。中国の遼寧省、四合屯には、現在建造費だけで2800万ドルと見積もられる化石博物館が建造中だ。

 

次々と出る貴重な化石

この遼寧省北票市四合屯古代化石博物館(Liaoning Beipiao Sihetun Ancient Fossils Museum)は2019年内にオープンする予定だ。何の変哲も無い田舎の村である四合屯は、1990年代半ばに世界で初めて羽毛のついた恐竜「シノサウロプテリクス」の化石が発掘されて以来、「化石のゴールドラッシュ」に湧く。スミソニアンによれば遼寧省とその周辺からは、1億6600年前から1億2000年前の地層から、カメ4種、両生類8種、魚類15種、哺乳類17種、翼竜24種、古代の鳥類53種以上が見つかっている。

遼寧省にはこのほかにもすでに複数の化石や古代の生物をテーマにした博物館が少なくとも10存在する。朝陽市にはすでに2009年に朝陽古生物化石博物館ができたし、2007年に開館した本渓地質博物館、2011年には遼寧古生物博物館もオープンしている。

 

化石商売に悩む古生物学者

化石はまた金になる商売でもある。遼寧省の朝陽市もまた、四合屯と同様にただの田舎町だったものが、90年代後半に羽の残った恐竜「カオヤングサウルス」が発見されて以降ゴールドラッシュとなっている地域である。このような地域では、化石の発掘や、化石の売買が商売となっている。タイム誌の2007年の記事では、朝陽市で元農家が化石の販売を始めたところ、これまでの10倍の収入を得るようになったという話を紹介している。2007年といえばすでに10年以上前の話ではあるが、スミソニアンの記事と共通しているのは、地域経済が化石により活性化され、地元の官僚がそこから利益を得るという構図である。

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タイム誌の記事では、化石の売買は合法だが、恐竜の化石の場合は違法であるにもかかわらず、裏で取引がなされており、悲しいことに古生物学者たちも研究のためにこういった手段を使って化石を手に入れなければいけないと嘆いている。そしてそのような取引は非合法であるにもかかわらずに地元の官僚などが関わり公然と行われているというのである。

スミソニアンの記事でもまた、地元の官僚が化石を商売に利用したいがために、考古学者ではなく地元の農家などを用いて化石を発掘させているとされる。そのため化石の発掘に関しての記録も場所や深さ、層位などの記録も残らないし、貴重な化石が破壊されたりもするようだ。

最近も中国からは、200個もの翼竜の卵や胎芽の発掘、青緑色の恐竜の卵や、虹色の羽を持つジュラ紀の恐竜が発見されたりといった貴重な発見が相次いでいる。化石ブームに沸く中国、是非とも国を挙げて化石の発掘研究を守ってもらいたいものだ。

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